香港・Wang Fuk Court火災 家族としてのペットを救え video poster
香港の集合住宅「Wang Fuk Court」で起きた大規模火災は、少なくとも160人の命を奪いました。その陰で、同じ建物で暮らしていたペットたちもまた深刻な被害を受けています。動物保護団体などの推計では、影響を受けた犬や猫などの動物は600匹を超えるとみられています。
「彼らは家族です」。火災現場近くでは、そう語りながらペットの行方を探す住民やボランティアの姿が見られました。人命救助が最優先である一方で、「家族の一員」である動物をどう守るのかという問いが、いま改めて突きつけられています。
160人が犠牲になった集合住宅火災
今回の火災が起きたのは、香港にある集合住宅「Wang Fuk Court」です。多くの世帯が暮らす建物で発生した火災により、少なくとも160人が死亡しました。2025年の香港社会にとって、極めて大きな衝撃となる事故です。
高層の集合住宅が密集する都市部では、一度火災が起きると、多数の住民と同時に多くのペットも被害を受けやすい構造になっています。今回の火災でも、住戸に取り残された動物たちの安否が、発生直後から大きな関心を集めました。
煙の中で続いたペットの救出
現場周辺では、消防隊による消火・救助活動に加え、住民や動物保護団体のメンバーが、キャリーケースや毛布を手に建物周辺を行き来する姿が見られました。ケージに入れられた猫を抱きしめて涙を流す人、名前を呼びながら犬の姿を探す人…。そうした光景は、「ペットは単なる飼い動物ではなく家族だ」という感覚が広く共有されていることを物語っています。
一部の動物は、ベランダや窓辺に取り残された状態で発見され、消防隊員によって救出されました。また、避難の際にいったんペットと離ればなれになった住民が、周囲の安全が確認された後に、消防隊と連携して再び建物内に入り、ペットを探し出すケースもあったとされています。
600匹超が被害 動物保護団体が支援に奔走
動物福祉団体によると、この火災の影響を受けたペットや小動物は600匹以上にのぼると見込まれています。行方がわからない動物の捜索に加え、救出された動物の一時預かりや医療ケア、飼い主が亡くなったケースでの新たな受け入れ先探しなど、課題は山積しています。
香港の動物保護団体は、臨時のシェルター(避難施設)を設け、ボランティアとともに給餌や健康チェック、ストレスケアにあたっています。SNSを通じて、保護された動物の写真や特徴を共有し、飼い主との再会を支援する取り組みも進んでいます。
災害時にペットをどう守るか
今回の火災は、都市型災害が増えるなかで「ペットを含めた避難計画」が十分なのか、あらためて問いかけています。ペットを連れて避難する際に、エレベーターや共用スペースの利用をどうするか、避難所での受け入れルールをどう整えるかといった点は、多くの都市で共通の課題です。
日本でも地震や水害のたびに、ペットと一緒に避難できるかどうかが議論になります。香港で起きたこの火災は、「人命優先」と「ペットも家族」という二つの価値を、どう両立させるかという問題を、国や地域を超えて突きつけているように見えます。
「家族」という言葉の重さ
大きな災害のあとには、ペットを抱きしめて避難する人の写真や、「あの子を置いてはいけない」と語る声がたびたび伝えられます。Wang Fuk Courtの火災でも、They're family(彼らは家族だ)という思いを胸に、危険を承知でペットの元に戻ろうとした人たちがいました。
こうした行動は、単なる「動物好き」という言葉では説明しきれません。同じ空間で日常をともにし、喜びや不安を共有してきた存在としてのペット。その関係性が、危機の瞬間にあらわになったと言えるでしょう。
160人以上の命が失われ、数百ものペットが被害を受けた今回の火災は、悲惨な出来事であると同時に、人と動物のつながりの深さを浮かび上がらせました。日常が続いているときにこそ、自宅や地域の防災計画の中で「ペットをどう守るか」を静かに考える時間を持つことが、次の災害への備えにつながっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








