中国が1日で3基打ち上げ 宇宙インターネットも視野に入る連続ロケット video poster
中国の宇宙開発が、また一つ新しい節目を迎えました。2025年12月9日、中国は1日のうちに3基のロケット打ち上げを連続して成功させ、複数の衛星をそれぞれの予定軌道に投入しました。
早朝から深夜まで続いた今回のミッションでは、長征6号A、長征4号B、長征3号Bという3種類のロケットが次々と打ち上げられました。低軌道インターネット衛星コンステレーション、「Yaogan-47」衛星、通信技術試験衛星が一挙に送り出され、中国の宇宙輸送能力の高さが改めて示されたかたちです。
1日3回のロケット打ち上げ、その中身
12月9日の打ち上げは、宇宙インターネット構想から通信技術まで、幅広い目的をカバーするラインアップでした。
長征6号A:低軌道インターネット衛星を15機
最初に打ち上げられた長征6号Aは、低軌道インターネット用の衛星コンステレーションを構成する15機の衛星を軌道に投入しました。コンステレーションとは、多数の衛星をネットワークとして組み合わせ、地上への通信サービスなどを提供する仕組みです。
低軌道の衛星は地球との距離が比較的近いため、通信の遅延を抑えやすいという特徴があります。山間部や離島など、地上インフラが届きにくい地域の通信を支える手段としても期待されています。
長征4号B:「Yaogan-47」衛星を投入
続いて打ち上げられた長征4号Bは、「Yaogan-47」と名付けられた衛星を予定軌道に送り込みました。衛星は、宇宙空間でさまざまなミッションを担う存在であり、「Yaogan-47」もその一つとして運用が進められていくことになります。
長征3号B:通信技術試験衛星22号
同じ日の締めくくりとして打ち上げられたのが、長征3号Bです。このロケットは「Communication Technology Test Satellite 22」と呼ばれる衛星を軌道に投入しました。衛星名からは、通信関連の技術試験に焦点を当てたミッションであることがうかがえます。
インターネット衛星コンステレーションとあわせてみると、宇宙空間を通じた通信インフラを強化しようとする動きが浮かび上がります。
なぜ「1日3打ち上げ」が注目されるのか
ロケットの打ち上げは、1回成功させるだけでも高度な技術と準備が求められます。それを1日のうちに3回連続で成功させたという事実は、いくつかのポイントを示しています。
- 運用能力の高さ:複数の発射場やチームを同時並行で動かし、早朝から夜まで連続運用できる体制が整っていること。
- 打ち上げ頻度の向上:宇宙へ物資や衛星を送り込む「輸送路」が、特別なイベントから日常的なインフラに近づきつつあること。
- 産業としての安定性:ロケットや衛星の量産・品質管理、地上設備の整備など、宇宙産業全体の成熟度がうかがえること。
今回のような高い打ち上げペースは、中国の宇宙開発が長期的な計画に基づき、継続的に実行されていることを象徴しているとも言えます。
静かに進む「宇宙インターネット」インフラづくり
今回の3連続打ち上げの中で、とくに象徴的なのが、低軌道インターネット衛星コンステレーションの15機同時投入です。衛星インターネットは、地上の光ファイバー網とは別の「第2の通信インフラ」として世界的に注目されています。
衛星を多数組み合わせたネットワークが本格的に稼働すれば、次のような可能性が広がります。
- 地上インフラが整っていない地域でのインターネット接続
- 船舶や航空機など、移動体への安定した通信提供
- 災害時に地上ネットワークが損傷した際のバックアップ回線
- IoT機器やセンサーからのデータを、広域で収集・管理する基盤
中国がこうした衛星ネットワークを着実に拡大していることは、デジタル経済や産業政策など、複数の領域にまたがる長期的な戦略の一部と見ることもできます。
これからの宇宙開発をどう捉えるか
12月9日の3連続打ち上げは、「宇宙開発」という言葉から想像されるドラマチックなイメージとは少し異なり、むしろ静かに、しかし着実にインフラを積み上げていく姿を映し出しています。
宇宙は、かつての「遠いフロンティア」から、日々の通信や観測を支える身近な基盤へと変わりつつあります。今回のニュースは、その変化がどこまで進んでいるのかを考えるきっかけにもなりそうです。
スマートフォンでニュースを読む私たちにとっても、画面の向こう側でどのような宇宙インフラが動いているのかに目を向けることで、デジタルな日常の「裏側」が少しだけ立体的に見えてくるかもしれません。
Reference(s):
China launches 3 rockets in a day, showcasing spaceflight prowess
cgtn.com








