中国大型ドローン「Jiutian」初飛行 物流・救援など多用途の民生利用へ video poster
中国の航空・テクノロジー分野で、新たな大型無人機の動きがありました。中国航空工業集団(AVIC)によると、大型無人航空機(UAV)「Jiutian」が2025年12月11日、中国西北部・陝西省蒲城で初飛行に成功しました。高い積載能力と長距離飛行を備え、物流や災害救助など多様な民生用途への活用が想定されています。
「Jiutian」大型無人機の特徴
今回初飛行した「Jiutian」は、全長16.35メートル、翼幅25メートルの大型ドローンです。最大離陸重量は16トン、そのうち最大6000キログラムのペイロード(搭載可能重量)を運ぶことができます。
公表されている主な性能は次のとおりです。
- 全長:16.35メートル
- 翼幅:25メートル
- 最大離陸重量:16トン
- 最大ペイロード:6000キログラム
- 最大飛行時間:12時間
- 航続距離:約7000キロメートル
機体は、
- 高い積載能力
- 高い実用上昇限度(高高度を飛行できる性能)
- 幅広い速度域
- 短距離での離着陸
といった特長を備えるとされています。これにより、滑走路条件が限られる地域や、インフラが十分でない場所でも運用しやすい設計になっているとみられます。
想定される民生用途
「Jiutian」は軍事用ではなく、多様な民生用途(民間利用)を主な想定として開発された大型ドローンです。AVICによると、主に次のような場面での活用が見込まれています。
1. 重量物資の輸送
最大6000キログラムのペイロードを活用し、通常の小型ドローンでは対応しづらい重量物の輸送が想定されています。たとえば、建設資材や大型機器、発電設備の部品など、トラック輸送に近い規模の荷物を空路で届けるイメージです。
2. 遠隔地への物流・補給
航続距離は約7000キロメートルとされており、長時間の連続飛行が可能です。道路網が十分でない山間部や離島、悪天候や災害で陸路が寸断された地域への補給ルートとして、大型無人機を活用する発想です。
3. 災害・緊急時の救援支援
短距離離着陸が可能な大型無人機は、滑走路やヘリポートが限られる被災地でも、救援物資や医療品を運ぶ手段になりえます。人が現地に入る前の段階から、飲料水や食料、発電機などを送り込めることが期待されています。
大型ドローンがもたらす新しい選択肢
世界各地で、ドローンの利用は撮影や小口配送から、より大型で長距離を飛ぶ機体へと広がりつつあります。「Jiutian」のような機体は、従来の輸送手段と比べて次のような点で新しい選択肢となりえます。
- 人を乗せずに長距離・長時間の飛行が可能で、安全面や人員配置の柔軟性が高い
- 道路や橋梁などの地上インフラに依存せず、上空から直接物資を届けられる
- 需要に応じてフライト頻度を柔軟に調整しやすい
もちろん、大型無人機の本格運用には、安全確保や運航ルール、周辺住民への説明など、多くの課題も並行して検討する必要があります。その一方で、「人が入りにくい場所に物資を届ける」という点では、これまでになかった手段を提供する可能性もあります。
今後の注目ポイント
初飛行を終えた「Jiutian」が、今後どのような形で民生分野に投入されていくのかは、引き続き注目されます。特にポイントとなりそうなのは次のような点です。
- 実際の物流ルートや災害現場での試験運用の進み方
- 運航コストや整備体制など、商業運用に向けた具体的な条件
- 他の無人機や有人機、地上輸送との役割分担のあり方
中国西北部で初飛行を果たした「Jiutian」は、大型ドローンの民生利用がどこまで広がるのかを占う一つの試金石になりそうです。物流や災害対応の現場が、今後どのように変わっていくのかを考える上でも、動向を追っていく価値のあるプロジェクトといえます。
Reference(s):
China's 'Jiutian' large drone debuts for diverse civilian missions
cgtn.com








