旧日本軍731部隊元隊員が語る凍傷実験 38分映像が公開 video poster
第二次世界大戦中に細菌戦を行った旧日本軍の731部隊の元隊員による証言映像が、新たに一般公開されました。凍傷実験や細菌散布の実態を、当事者が具体的に語った38分間です。
ハルビンの展示館が38分の証言映像を公開
木曜日、旧日本軍731部隊の犯罪を伝える専用の展示館であるExhibition Hall of Evidences of Crime Committed by Unit 731 of the Japanese Imperial Armyが、38分間の証言映像を公開しました。
展示館は、中国東北部の中国に位置する黒竜江省ハルビン市の、旧731部隊本部跡地に建てられています。今回公開された映像には、元隊員の西島鶴男氏が登場し、部隊での任務や実験について自らの経験を語っています。
気象データと結びついた細菌散布・凍傷実験
映像の中で西島氏は、731部隊がどのように気象データを利用していたのかを説明しています。風向きや気温などの情報をもとに、細菌をどのように拡散させるかを計画していたとされています。
また、極寒環境を利用した凍傷実験についても言及されています。人体が低温にさらされる過程を観察する目的で行われたとされるこうした実験は、731部隊の活動の中でも象徴的なものとしてしばしば語られてきました。
1997年の記録が、2019年の寄贈を経て今ふたたび
この映像は、1997年に日本の研究者・西里扶代子氏によって撮影されたものです。展示館によると、映像は2019年に寄贈され、その後、整理や保存作業を経て今回の公開に至りました。
収録からはおよそ28年、寄贈からも6年ほどが経過しています。時間の経過とともに、直接の証言者は少しずつ姿を消しつつありますが、その声をどのように記録し、共有していくかという課題は、今も続いています。
一次証言が持つ重みと、世代を超える記憶
紙の資料や公式記録と比べて、本人の表情や声、言葉の揺らぎまで伝わる映像記録は、戦争犯罪や人権侵害の実態を理解する上で重要な一次資料となります。
今回公開された映像は、加害の側にいた人物が、自らの行為や部隊の仕組みを語る貴重な証言でもあります。視聴する人によって受け取り方はさまざまですが、次のような点に意識が向くかもしれません。
- 科学技術や気象データが、軍事目的に転用されていったプロセス
- 極限環境での実験が、「研究」と「加害」の境界線をどう曖昧にしたか
- 時間がたってから語られる証言が、社会の記憶にどのような揺らぎをもたらすか
静かに投げかけられる問い
ハルビンの展示館が、撮影から長い年月を経た証言映像を公開したことは、第二次世界大戦期の出来事を、2025年の今どのように捉え直すのかという問いにもつながっています。
戦争を直接知らない世代が多数派となった現在、歴史資料の多くはアーカイブとして保存される一方で、日常生活からは距離が生まれがちです。今回のような映像公開は、その距離を一時的にせよ縮め、過去の出来事を現在の問題として考えるきっかけを与えるものだといえます。
短いニュースとしても読める出来事ですが、38分の証言映像には、数字や年表だけでは見えない時間の重さが刻まれています。画面の向こう側で語る一人の声から、私たちは何を受け取り、どのように次の世代へ手渡していくのか。答えは一つではありませんが、映像を前に静かに立ち止まること自体が、すでに一つの応答になっているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








