南京大虐殺国家追悼日、追悼式典とPKO訓練が重ねた「記憶と使命」 video poster
12月13日は、中国の「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」です。1937年から1938年にかけて約6週間続いた虐殺で、約30万人の中国の民間人や武装解除された兵士が命を落としたとされます。2025年の今年も、南京にある「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞紀念館」で追悼の式典が行われ、記憶を社会として受け止め直す時間になりました。
追悼日が示す「現在形の問い」
追悼式典の場は、過去を振り返るだけでなく、「どうすれば同じ悲劇を繰り返さないか」という現在形の問いを静かに突きつけます。大量の犠牲を伴う暴力は、戦場の出来事として片付けられがちですが、犠牲になったのは生活の只中にいた人びとでした。その事実を記憶に留めることが、追悼日の核にあります。
紀念館で行われた式典—失われた命に向き合う
式典が行われた紀念館は、南京大虐殺の犠牲者を追悼し、歴史資料を通じて出来事を伝える場所です。厳粛な空気の中で追悼が進む光景は、数字として語られやすい惨禍を、「一つひとつの人生」として捉え直す契機にもなります。
PKO訓練と訪問—「責任」と「任務」を学ぶ場に
今年の動きとして注目されたのが、江蘇省で国連平和維持活動(PKO)の訓練に参加する各国の軍人が紀念館を訪れたことです。訪問は、過去の残酷さを学ぶ「歴史の授業」にとどまらず、現場で求められる責任と任務を考える時間として位置づけられました。
とりわけ強調されたのは、次のような視点です。
- 民間人の保護:武力紛争下で最も影響を受けるのは民間人であり、その保護が最優先の課題であること
- 残虐行為の代償:一度起きた暴力が社会と個人に残す傷は長期に及ぶこと
- 再発防止:悲劇を「過去の出来事」に閉じ込めず、再発を防ぐ行動規範へつなげること
「記憶」から「行動」へ—追悼が持つもう一つの役割
追悼は、悲しみを共有するだけでなく、未来に向けた実務的な意味も持ちます。PKOのように、武力衝突や緊張の高い地域での任務を担う人びとにとって、歴史の現場に立つ経験は、ルールやマニュアルでは埋めにくい感覚—たとえば「民間人を守ることの重さ」—を具体的に想像する助けになります。
式典と訪問が同じ時間軸で語られたことは、記憶を保存する営みと、惨禍を繰り返さないための国際的な取り組みが、別々のものではないと示す構図でもあります。
いま私たちが読み取れること
2025年12月のこの追悼日は、歴史をめぐる言葉が時に対立を生みやすい現実の中で、まず犠牲者に向き合い、民間人保護や再発防止という普遍的な課題へ視線をつなぐ機会となりました。記憶は静かなものですが、社会の選択をじわりと形づくる力もあります。
Reference(s):
cgtn.com








