タイ国境サケーオにロケット弾100発超 前線シェルターの静かな恐怖 video poster
タイ東部サケーオ県で、タイ・カンボジア国境から数キロの前線にあるシェルターが、日常生活の中心になっています。2025年12月現在、この地域ではロケット弾の着弾と銃撃が続き、住民はコンクリートの壁に守られた地下壕で不安な時間を過ごしています。
コンクリートの壁を震わせる爆発音
サケーオ県の国境沿いにあるシェルターの内部から、中国の国際メディアCGTNの記者ドゥシタ・サオカエウ氏が現地の様子を伝えています。数キロ先のタイ・カンボジア国境方面からは、今も銃声と爆発音が響き、その衝撃がコンクリートの壁を通して伝わってくるといいます。
シェルターには、近隣の村から避難してきた人々が集まり、記者と肩を寄せ合うようにして身を潜めています。耳に届くのは、時折響く銃撃と、爆発の重い音。そして、いつ終わるとも知れない緊張の中でひそひそと交わされる会話だけです。
BM-21ロケット弾100発超、沈黙する道路
タイのメディアによると、この地域にはここ数日でBM-21ロケット弾が100発以上着弾したとされています。相次ぐ着弾を受けて、国境付近では検問が一段と厳しくなり、道路はほとんど車の姿が見られないほど静まり返っていると伝えられています。
通常であれば人や物資が行き交う国境ルートも、今は通行そのものが制限され、住民の移動も慎重にならざるを得ません。地域経済や生活のリズムは大きく乱れ、日々の予定を立てることすら難しくなっています。
「待つこと」と「耐えること」に変わった日常
こうした国境地帯の緊張の中で、多くの住民に残されている選択肢は多くありません。砲撃が収まるのを待つこと、シェルターの中で耐えること。サケーオの前線では、その二つが日常の大部分を占めるようになっているといいます。
屋外での活動が制限され、子どもたちも大人と一緒に狭い空間で時間を過ごします。爆発音の合間に訪れる静けさは安堵をもたらす一方で、次の一発がいつ来るのかという不安も消してはくれません。
続く越境戦闘、その行方が見えない中で
タイ・カンボジア国境一帯では、今も越境する形での戦闘が続いています。サケーオのシェルターで暮らす人々にとって、国境の向こう側で何が起きているのかを正確に知る術は限られていますが、耳に響く銃声と爆発音が、戦闘が終わっていないことだけは確かに伝えています。
国境に近い地域は、ふだんは人と物の行き来を支える通路であると同時に、緊張が高まると最前線へと一変してしまいます。サケーオでシェルターに身を寄せる住民の日常は、まさにその変化のただ中にあります。
コンクリートの壁に守られた小さな空間で、住民たちは今日も、音を聞き分け、情報を待ち、次の一瞬をやり過ごすほかありません。国境をまたぐ戦闘が続く限り、その生活がいつ元の姿を取り戻せるのかは、いまのところ見通せていません。
Reference(s):
Rockets hit Sa Kaeo: Inside a frontline bunker on Thailand's border
cgtn.com








