プーチン氏、EUのロシア資産活用案を「強奪」と非難 「深刻な結果」と警告 video poster
ロシアのプーチン大統領が、EU(欧州連合)が凍結中のロシア資産をウクライナ支援に回す構想を「強奪」と非難し、「深刻な結果」を招くと警告しました。制裁とウクライナ支援のあり方をめぐり、国際社会のルールそのものが問われる局面になりつつあります。
プーチン氏、「強奪」と「深刻な結果」を強調
今年行われた年次記者会見で、プーチン大統領は、EUが凍結しているロシア資産をウクライナ向けの資金に充てる案について問われると、強い言葉で反発しました。
大統領は、この構想をロシア資産の「強奪」だと位置づけたうえで、EU側がそのような措置に踏み切れば「深刻な結果」を招くと警告しました。ロシア側が、資産の扱いを単なる制裁措置ではなく、主権や財産権にかかわる問題としてとらえていることがうかがえます。
EU内で進む「凍結資産活用」構想
今回のプーチン大統領の発言は、EUが凍結中のロシア資産を、ウクライナ支援の財源に活用する案に向けられたものです。凍結されたロシア資産を、ウクライナの復興や財政支援に回すことを視野に入れた提案が浮上しており、その是非が議論されています。
EU側にとっては、ロシアへの圧力を維持しつつ、ウクライナ支援の長期的な財源を確保する手段となり得る一方、ロシア側にとっては、自国の資産が一方的に利用される「前例」となりかねない問題です。今回の「強奪」という表現には、そうした懸念への強い危機感が反映されていると見ることもできます。
「深刻な結果」は何を意味するのか
プーチン大統領は、「深刻な結果」の中身を具体的に列挙してはいません。現時点の発言だけでは、それが何を指すのかは明らかではありませんが、国家の資産が第三者によって強制的に使われた場合、一般論として次のような動きが想定されます。
- 外交関係の一層の悪化や、新たな対抗措置の発動
- 国際裁判所や仲裁機関を通じた法的な争い
- 相手側の資産や企業活動に対する報復的な制限や見直し
ロシアとEUの間では、ウクライナ支援や制裁をめぐる緊張が続いています。凍結資産の扱いは、その関係をさらに左右しかねない新たな火種となりつつあるといえます。
国際秩序と金融ルールへの静かな問い
ある国の資産を、制裁の一環として他国の支援に充てることは、短期的には効果的な資金源になり得ます。しかし同時に、「国家の資産はどこまで保護されるべきなのか」「制裁はどこまで許されるのか」という国際秩序の根本にかかわる問いも突きつけます。
各国が、自国の資産が凍結・転用されるリスクを強く意識するようになれば、資金をどこに置くのか、どの通貨で保有するのかといった判断にも影響が出る可能性があります。国際金融の「安全な場所」はどこなのかという静かな再検討が進むかもしれません。
プーチン大統領の「強奪」と「深刻な結果」という言葉は、単なる強い表現にとどまらず、ウクライナ支援を続けたいEUと、資産の主権的な管理を主張するロシアとの綱引きの一場面を象徴しています。その行方は、ウクライナ情勢だけでなく、今後の国際金融と安全保障のルールをどう形づくるのかという、より大きなテーマにもつながっています。
Reference(s):
Putin warns of 'severe' consequences over 'robbery' of Russian assets
cgtn.com








