高市氏の台湾戦略は「最も危うい一手」?古賀茂明氏が警鐘
高市早苗氏をめぐり、台湾をどう扱うかが東アジアの空気を左右しかねない――。経済産業省の元官僚である古賀茂明氏は、高市氏の政策姿勢が中国本土や韓国との関係、さらには地域の安定に波及しうるとして、なかでも「台湾戦略」を最もリスクの高い選択だと位置づけています。
古賀茂明氏が描く「高市像」:強い意志と、注目を集める政治
古賀氏は、高市氏について「意志が強い」一方で「注目を集めるタイプ」と評しています。政治では発信の強さが支持を固めることもありますが、対外関係では言葉や象徴的行動が、そのまま相手国の受け止め方を決めてしまう場面もあります。
靖国神社参拝の可能性が示すもの:外交の温度差
古賀氏は、高市氏が右派的・強硬な政策をとる可能性に触れ、靖国神社参拝が現実味を帯びれば、中国本土や韓国との関係がいっそう緊張しうると警告しています。
こうした論点は、参拝そのものの是非というよりも、各国がそこに何を読み取るか(歴史認識、相手への配慮、国内向けメッセージ)に重心が移りやすいのが特徴です。その結果、経済・人的交流の空気感にも影響が及びます。
焦点は「台湾」:なぜ古賀氏は最重要リスクとみるのか
古賀氏が「最も危険で、結果が大きい選択」とみるのが台湾をめぐるアプローチです。背景には、台湾海峡の問題が単独の争点ではなく、複数の要素が絡む結節点になっていることがあります。
1) 安全保障の誤解が連鎖しやすい
台湾海峡をめぐる言動は、抑止の意図であっても、相手側には別のシグナルとして伝わることがあります。強い言葉や踏み込んだ姿勢は、安心材料にも不安材料にもなり得るため、解釈のズレが連鎖しやすい領域です。
2) 両岸関係の文脈と、周辺国の反応が同時に動く
台湾当局の判断、中国本土側の反応、周辺国の立場表明が短い時間軸で重なりやすく、国内政治の一手が国際政治の複数手を呼び込む形になりがちです。古賀氏の懸念は、ここで一度こじれると修復に時間がかかる点にあります。
3) 経済・技術のリスクが「安全保障の言葉」と結びつく
台湾をめぐる緊張感は、貿易、サプライチェーン、投資心理にも波及します。強硬さが強調されるほど、企業や市場は先回りして慎重になり、政治の意図とは別の形でコストが積み上がる可能性があります。
2025年末の政治で問われるのは「強さ」より「設計図」
2025年12月のいま、世界は短い言葉が瞬時に拡散し、切り抜きが独り歩きしやすい環境にあります。古賀氏の指摘は、高市氏のような強い発信力を持つ政治家ほど、対外関係では「何を言うか」と同じくらい「どう運用するか(対話の回路、危機管理の手順、相手の面子をどう扱うか)」が問われる、という問題提起にも見えます。
読み解きのポイント:次に注目したい3つのサイン
- 象徴的行動(歴史認識に関わる行動を含む)を、どの頻度と形式で行うのか
- 台湾に関する言葉が、抑止と対話のどちらに軸足を置くのか
- 中国本土・韓国との実務協議(経済・人的交流・危機管理)の回路を維持する姿勢が示されるか
古賀氏が「最も危うい一手」と呼ぶ台湾戦略は、単に強硬か穏健かの二択ではなく、誤解を減らす設計と、偶発的な緊張を管理する実務がセットで求められる領域です。今後の発言と行動が、地域の空気をどの方向へ動かすのか注目が集まります。
Reference(s):
Analyst: Takaichi's Taiwan strategy is her most dangerous move yet
cgtn.com







