動画アプリ「TikTok」の米国事業をめぐり、米国で新たな合弁会社(ジョイントベンチャー)を設立するとの報道が出る中、中国政府は「中国の法律・規制に合致し、関係者の利益の均衡が取れる解決策」を期待する考えを示しました。事業継続の枠組みがどう組み直されるのか、年末のこのタイミングで議論が再び動いています。
中国商務部「法令に沿う解決を、関係者で」
中国商務部の報道官である何咏前(He Yongqian)氏は、2025年12月25日(木)の定例記者会見で、TikTokをめぐる問い合わせに応答しました。
発言の要旨は次の通りです。
- 関係する当事者が、TikTokについて解決策に到達することを期待する
- その解決策は、中国の法律・規制に適合していることが重要
- あわせて、関係者の利益の「バランス(均衡)」が図られることが望ましい
何が報じられているのか:米国で新合弁、投資家は3社
会見でのやり取りは、TikTokが3社の投資家と合意し、米国で新たな合弁会社を設立するとの報道を前提にした質問を受けたものです。報道では、この新たな枠組みがTikTokの米国での事業継続を確保する狙いだとされています。
現時点で中国商務部側は、報道内容の細部に踏み込む形ではなく、「法令順守」と「利害の均衡」という原則を前面に出した形です。
「合弁」という言葉が示すもの:運営継続と統治の再設計
一般に、合弁会社の設立は、事業の継続性を高める一方で、運営(ガバナンス)や責任分担を組み替えることにもつながります。今回の報道が示す方向性が事実であれば、論点は大きく分けて次の3点に整理できます。
- 法令・規制への適合:当事者がどの法域のルールにどう整合させるか
- 利益の配分:投資家、既存事業者、利用者を含む利害の調整
- 運営の透明性:意思決定や管理体制をどう設計するか
中国商務部が「利益の均衡」に言及した点は、単に形式を整えるだけでなく、関係者の納得感を伴う設計が求められている、というメッセージとしても読めます。
今後の見通し:注目点は「設立」より「運用」
合弁の枠組みが取り沙汰される局面では、設立の発表以上に、運用面での具体が焦点になりやすいです。今後の注目点としては、例えば次のような項目が挙げられます。
- 合意内容が、関係する当局の手続きや審査とどう関わるのか
- 投資家3社が、経営や意思決定にどの程度関与するのか
- 米国での事業継続に必要な要件を、どんな仕組みで満たすのか
今回の中国商務部の発言は、対立を強調するよりも、ルールに沿った解決を関係者間で探るという立場を示したものです。年末にかけて、交渉や手続きの「実務」がどこまで進むのかが静かに注目されます。
Reference(s):
China responds to TikTok joint venture deal for U.S. business
cgtn.com








