ALSと向き合う中国本土の夫婦:15分アラームでつなぐ希望 video poster
2021年にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された明大燕(ミン・ダーヤン)さんと、夫の彭超(ポン・チャオ)さん。進行性の難病が日常を揺さぶるなか、2人は「希望を手放さない」ための小さな工夫を積み重ねています。
「大きなツバメ」の翼が、いまは凍っている
明大燕さんの名前は「大きなツバメ」を意味します。しかし病気は、その翼を一時的に「凍らせた」と表現されます。診断は2021年。いま(2025年12月時点)に至るまで、2人は変化に適応しながら暮らしを組み立ててきました。
15分ごとのアラーム:時間を細かく刻んで、暮らしを回す
2人の象徴的な工夫が、15分ごとに鳴るアラームです。大きな目標を掲げるより先に、「次の15分」を確実にする。その積み重ねで、日々のリズムを守ろうとしています。
- 先の不安に飲み込まれる前に、目の前の行動へ意識を戻す
- やるべきことを小さく区切り、達成の手触りを残す
- 介助や休息のタイミングを整え、生活の見通しをつくる
夫・彭超さんの選択:「希望を死なせない」
彭超さんの名前は「スーパー」を意味するとされます。けれど、ここでの“強さ”はドラマのような逆転劇ではなく、淡々と続く日常のなかで希望を消さない姿勢として現れています。
病気の「残酷さ」を見ないふりはしない。一方で、否定的なことだけに焦点を当てない。2人が共有しているのは、そのバランス感覚です。
「レガシーを科学へ」——未来に手渡すという考え方
2人はまた、自分たちのレガシー(遺産や歩み)を科学へ託すことも選んだといいます。苦しみを“個人の物語”に閉じ込めず、次につながる形に変換しようとする姿勢は、当事者の時間が長く続く病気ほど重みを持ちます。
この話が静かに投げかける問い
ALSそのものの厳しさ以上に、この記事が伝えるのは「一緒に暮らしを続ける技術」です。15分アラームのような工夫や、科学へつなぐ選択は、答えというより問いを残します。
- 希望は「気持ち」だけでなく、どんな仕組みで支えられるのか
- 家族が抱える負荷を、社会はどこまで受け止められるのか
- 当事者の経験を、未来の知見へどう橋渡しできるのか
診断から数年がたったいまも、2人は「否定的なことだけを見ない」ための選択を重ねています。その姿は、派手ではないけれど、共有される価値のあるニュースとして広がり得ます。
Reference(s):
How a Chinese couple navigates the challenges of ALS together
cgtn.com








