香港観光が2025年に急回復、1〜11月で4500万人 次の成長戦略は video poster
2025年、香港特別行政区(SAR)の観光が勢いよく戻ってきています。1〜11月の訪問者数は4500万人に達し、2024年の通年実績を上回りました。数字が示す回復の背景と、次の一手がどこに向かうのかを整理します。
「4500万人」が示す回復の質
今回の注目点は、単に増えたという量だけではありません。1〜11月で2024年通年を超えたことで、季節要因に左右されにくい需要の戻り方や、イベント・移動の再開が積み上げ型で効いている可能性が見えてきます。
観光は航空・小売・飲食・文化施設など裾野が広く、訪問者の戻りは都市の体温を上げます。一方で、混雑や人手不足、受け入れ能力(交通・宿泊・現場オペレーション)といった“回復の副作用”も同時に現れやすい分野です。
「勝ち筋」はどこにあるのか――文化・スポーツ・観光の束ね方
中国国際テレビ(CGTN)の取材では、香港の文化・スポーツ・観光を所管するロザンナ・ロー(Rosanna Law)長官が、回復の「勝ち筋(winning formula)」について語ったとされています。断片的な情報から読み取れるのは、観光を“単発の集客”で終わらせず、都市の体験価値として束ね直す発想です。
具体的には、次のような組み合わせが鍵になりやすい領域です。
- 文化:展示や街の物語性を軸に、滞在の理由を増やす
- スポーツ:大会やイベントで来訪の動機を作り、周辺消費につなげる
- 観光:移動・食・買い物を含めた“体験の編集”で満足度を底上げする
観光の回復期は、数の拡大と同時に「どんな訪問体験を設計するか」が問われます。勢いが戻った今ほど、ここが都市の競争力として残ります。
第15次五カ年計画が示す「次の伸びしろ」
第15次五カ年計画は、香港とマカオが国家全体の発展戦略により深く組み込まれていく方向性を強調しています。観光に引き寄せて見ると、これは単なる客数増ではなく、移動の導線、都市間の連携、産業としての高度化(サービス品質やデジタル化など)を進める余地が広がる、という読み方もできます。
「香港がこの機会をどう主体的に生かすか」という問いが立つのは、観光が政策と市場の接点にあるからです。大型イベントや国際往来の回復は追い風ですが、追い風だけで長く走るのは難しい。だからこそ、回復を“仕組み”に変える段階に入った、と見る向きもあります。
勢いを“持続”に変えるために見えてくる論点
最後に、今回の数字から自然に浮かぶ論点をまとめます。どれも答えは一つではありませんが、回復局面の都市が必ず直面するテーマです。
- 受け入れ能力:交通・宿泊・現場人材は増加ペースに追いつくか
- 体験の質:混雑の中でも満足度を落とさない設計ができるか
- 分散:繁華街だけに集中しない導線づくり(時間・場所・目的の分散)
- 連携:都市間・分野間(文化×スポーツ×観光)の組み合わせをどう拡張するか
2025年の「1〜11月で4500万人」という数字は、回復の到達点であると同時に、次の設計図を急ぐ合図でもあります。香港がこの勢いをどんな形で定着させるのか。観光の数字の先にある都市の選択が、静かに注目されています。
Reference(s):
cgtn.com








