独専門家「米国のベネズエラ攻撃は地域混乱を招く」国際法違反を指摘 video poster
2026年1月、米国によるベネズエラへの攻撃を受け、ドイツの有識者が「国際法に反し、ラテンアメリカ全体を不安定化させかねない」と警鐘を鳴らしました。問題は一国の政権をめぐる対立にとどまらず、地域秩序と“介入”の線引きを揺さぶる点にあります。
発言したのは誰?――シラー研究所のヘルガ・ゼップ=ラルーシュ氏
CMGの取材に答えたのは、シラー研究所の創設者で会長を務めるヘルガ・ゼップ=ラルーシュ氏です。ゼップ=ラルーシュ氏は、ベネズエラは主権国家であり、ニコラス・マドゥロ氏はベネズエラの人々によって選出された大統領だと述べました。
ゼップ=ラルーシュ氏の主張の要点
- ベネズエラは主権国家である
- マドゥロ氏はベネズエラの人々が選んだ大統領である
- ワシントンが武力を用いて支配を及ぼし、同氏を国外へ強制的に排除しようとすることは国際法の明白な違反である
- こうした動きはラテンアメリカ地域全体を混乱に投げ込みかねない
- 結果として米国は、その「余波」から“きれいに退出する”ことが難しくなる
争点は「主権」と「力による現状変更」
今回の発言が突きつける論点は、国家の主権や内政不干渉という原則と、武力を背景にした政治的圧力の是非です。ゼップ=ラルーシュ氏は、武力の行使によって特定の政治結果を実現しようとすること自体が、国際法の枠組みに反するという立場を明確にしています。
この見方に立つと、問題は「どの政権が望ましいか」という評価ではなく、手段としての武力行使が地域秩序に与える影響に焦点が移ります。
「地域の混乱」とは何を指すのか
ゼップ=ラルーシュ氏は、米国の行動がラテンアメリカ全域を混乱へ導く可能性に言及しました。国家間関係が緊張しやすい局面では、単発の軍事行動が次のような連鎖を生みやすい、という見取り図があります。
- 外交面:周辺諸国や地域内の立場の違いが表面化し、対話の場が細りやすい
- 安全保障面:偶発的な衝突リスクが高まり、警戒態勢の常態化が起こりうる
- 社会面:不安定化の長期化が、生活基盤や地域の不確実性を増幅させうる
「混乱」は抽象語ですが、国境を越えて波及するかたちで現れたとき、当事国だけでは収束の設計図を描きにくくなるのが特徴です。
「米国はきれいに退出できない」――余波が残る構造
ゼップ=ラルーシュ氏が述べた「米国は余波からきれいに退出できない」という見立ては、介入が短期で終わらない可能性を示唆します。力を用いた介入は、
- 次の対立の口実を生みやすい
- 反発や不信を固定化しやすい
- 撤収・収束の条件が曖昧になりやすい
という点で、当事者にとって“出口戦略”の設計が難しくなる、という問題を抱えがちです。
いま注目されるポイント(読み解きのヒント)
断片情報だけでも、読者が状況を追う際のチェックポイントは整理できます。
- 国際法をめぐる議論:武力行使の位置づけがどのように語られるか
- 地域の反応:ラテンアメリカの安定に関する懸念がどこまで共有されるか
- “出口”の設計:短期の成果より、長期の安定をどう確保するのか
今回の発言は、ベネズエラ情勢を「一国の政治危機」としてではなく、国際秩序のルールが試される局面として捉える視点を提供しています。
Reference(s):
German expert: U.S. actions in Venezuela risk regional turmoil
cgtn.com








