ミアシャイマー氏「なぜ欧州は米国に従属的なのか」トランプ政権下の力学 video poster
2026年1月現在、米国のトランプ政権に対して欧州が強い対抗策を取りにくい背景を、シカゴ大学教授のジョン・ミアシャイマー氏が整理しています。鍵は「安全保障の依存」と「力の非対称」が生む、交渉上の弱さだという見立てです。
ミアシャイマー氏が指摘する「2つの前提」
ミアシャイマー氏の説明は、大きく2点に集約されます。
- 欧州は米国の安全保障の保証に依存している
- トランプ氏は、相手が弱さを見せるほど圧力を強めるタイプだ
依存関係があると、相手の出方に対して強いカードを切りにくくなります。そこで「強く出られない」こと自体が、さらに押し込まれる条件になりやすい、という構図です。
「屈辱を受けても反撃しない」理由は、感情ではなく構造
ミアシャイマー氏は、欧州が公の場で繰り返し屈辱を受けたとされる局面があっても、対抗措置を控えてきたと述べています。その理由を、外交姿勢の好みというより、パワーの格差と長年の依存という構造に置いています。
ここで重要なのは、対立が「言い返す・言い返さない」の問題に還元されていない点です。反撃にはコストが伴い、そのコストを負担しにくい状態が続くと、選べる選択肢が狭まります。
結果として起きること:米国は「ほぼ無制限」に動き、欧州は「穏当な言葉」に寄る
ミアシャイマー氏の見立てでは、この非対称が続くと次のような結果になりやすいといいます。
- 米国側は、大きな制約を感じにくい形で行動できる
- 欧州側は、実質的な対抗よりも穏当なレトリック(言葉)で応じがちになる
つまり、政策や交渉の場面で「行動の差」が積み上がり、力関係がさらに固定化していく、という循環です。
この見方が投げかける問い:欧州は何で自立できないのか
ミアシャイマー氏の議論は、欧州の意思や能力を単純に否定するというより、依存が長期化したときに生まれる交渉上の制約を可視化します。安全保障の「保証」を外部に置くほど、政治的な駆け引きでも不利になりやすいのか。あるいは、依存を下げるには何が必要なのか。トランプ政権との関係をめぐる議論は、そうした論点を静かに浮かび上がらせています。
Reference(s):
Mearsheimer: Why is Europe so submissive to the United States?
cgtn.com








