中国本土で最古級の馬管理文書公開 戦国竹簡が示す“馬の知” video poster
2026年は干支で「午(うま)」の年。そんなタイミングで、中国本土の清華大学に収蔵される戦国時代の竹簡から、馬の鑑定や治療、調教を扱う“最古級の体系的記録”が公開され、古代の実学が改めて注目されています。
何が公開されたのか
清華大学には2008年、戦国時代の竹簡がおよそ2,500点預けられました。知られている限り最大規模のコレクションとされます。研究チームは2010年以降、解読と整理を進めてきました。
そして2026年1月19日、『戦国竹簡(第15巻)』が刊行され、その中に馬の管理に関する5つのテキストが収録されたとされています。
5つのテキストが扱うテーマ
今回の5テキストは、馬を「戦力」や「移動手段」として使うだけでなく、状態を見極め、手当てし、扱い方を整えるための知識を含む点が特徴です。概要としては、次の領域をカバーします。
- 馬の鑑定(見立て):良し悪しや状態を判別するための観点
- 獣医的な治療:不調への対処や手当てに関する記述
- 調教:馬の扱い・訓練の考え方
- 指導・運用:管理や運用のためのガイダンス
「最古の体系的記録」が意味するもの
研究チームによれば、これらは馬についての体系的な記録として最も早い段階のものと位置づけられています。重要なのは、単なる断片的メモではなく、鑑定・治療・訓練といった複数の実務がまとまっている点です。
そのため、戦国時代の馬の見立ての具体像だけでなく、
- 家畜管理(アニマル・ハズバンドリー)の歴史
- 動物考古学(ズーアーケオロジー:遺物や資料から動物利用の実態を探る研究)
- 獣医学史
といった分野に横断的な手がかりを与える、とされています。古代社会の技術や知識は、戦争や政治の“大きな物語”の陰に隠れがちですが、こうした実務文書は当時の生活と組織運用の解像度を上げてくれます。
「午の年」に浮かぶ、古代の“実用知”
干支が意識されやすい2026年に、馬の管理テキストがまとまって紹介されたことは象徴的でもあります。暦や文化の話題としての「馬」から一歩進んで、当時の人々が馬をどう観察し、どう手当てし、どう扱ったのか——その知の積み重ねが、竹簡というかたちで立ち上がってきます。
これから注目されるポイント
今回の公開は、研究の終点というより入口に近い出来事です。今後は、用語の読み解きや記述の体系性、他の竹簡資料との照合などを通じて、馬の評価基準や管理の発想がどのように整理されていたのかが、より具体的に議論されていくことになりそうです。
古い文字資料が「当時の技術マニュアル」として読める瞬間は、歴史の見え方を静かに変えます。2026年の“馬の年”に、古代の馬の知識が現代へ戻ってきた——そんなニュースとして記憶されそうです。
Reference(s):
cgtn.com








