マクロン大統領、ダボスで「欧州を従属させる米国の競争」を批判 video poster
スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラム(WEF)の演説で、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、米国の「競争」が「欧州を弱体化させ、従属させる」ことを狙っていると批判しました。協力の枠組みが揺らぐいま、欧州がどんな言葉で危機感を表現し始めたのかが注目されています。
何があった?──ダボスでのマクロン発言
マクロン大統領はWEFの場で、国際社会が「集団的なガバナンス(共通のルール形成や運営)」を欠くと、協力は後退し、「容赦ない競争」に置き換わると述べました。そのうえで、米国の「競争」について、欧州を「弱め、従属させる」方向に働き得るという問題意識を示しました。
ポイントは「反米」ではなく「ルールが消えることへの警戒」
今回の発言で目を引くのは、単に相手を非難するというよりも、協力を担保する“共同運営”が機能しない状態そのものを問題視している点です。マクロン大統領の表現に沿えば、争点は次の2層に分かれます。
- 表層:米国との競争が欧州の立場を弱くするのではないか
- 深層:共通ルールが薄れ、国際協力が「競争の連鎖」に変わってしまうのではないか
「協力→競争」への転換は、何を変えるのか
国際会議の場で「協力」が強調されるのは、それが道徳的に正しいからというより、予測可能性を生むからです。ルールが共有されるほど、企業は投資判断をしやすくなり、国も対立のコストを読みやすくなる。
逆に「容赦ない競争」が前面に出る局面では、各国・各地域が自国(自地域)の産業や技術、供給体制を守るための動きを強めやすくなります。マクロン大統領の言葉は、そうした流れが欧州にとって不利に働く可能性を示唆するものでもあります。
いま欧州側が抱えやすい論点
マクロン大統領の問題提起を、もう少し噛み砕くと論点は「欧州が競争の土俵でどう立つか」に寄っていきます。たとえば次のような問いです。
- 欧州は、協力と競争のバランスをどこに置くのか
- 競争が激化する局面で、域内の結束(政策の足並み)を保てるのか
- 「共同運営」を回復するために、どんな枠組みを提案できるのか
米国側の意図の捉え方は立場によって異なり得ますが、少なくとも今回の発言は、欧州が「競争が常態化する世界」を前提に言葉を選び始めていることを印象づけます。
次に見ておきたいのは「言葉の後」に出る具体策
国際会議の演説は、方向性を示す一方で、具体策はその後に現れます。マクロン大統領のメッセージが、欧州の政策議論や、各国・各地域との調整の場でどのように具体化されるのか。2026年1月のダボスで投げられたこの問題提起は、今後の交渉や発言の積み重ねの中で輪郭がはっきりしてきそうです。
Reference(s):
Macron denounces U.S. competition that aims to 'subordinate Europe'
cgtn.com








