アダム・トゥーズ氏「欧州は自立を学べ」米国の圧力と結束の行方 video poster
欧州は今、外からの圧力をきっかけに結束を強めています。コロンビア大学の歴史学者アダム・トゥーズ氏は、米国の圧力が統合を促す一方、脅威感が薄れれば勢いが失速しかねないと指摘し、「自分の足で立つ」実行力が必要だと訴えました。
何が語られたのか:要点は3つ
- 米国は、欧州がまとまるだけの「十分な圧力」をかけている
- ただし、その圧力や脅威の感覚が弱まると、欧州のモメンタム(勢い)も薄れる懸念がある
- 欧州は「ルールを語る」段階から、「行動で示す」段階へ進むべきだ
「圧力でまとまる欧州」—しかし長続きするのか
トゥーズ氏は、米国が欧州に対して与えているプレッシャーが、結果として欧州の結束を後押ししていると述べています。ここで重要なのは、結束が理念からではなく、外部環境への反応として生まれている点です。
一方で氏が懸念するのは、危機感が薄れた瞬間に、せっかく立ち上がった統合のエネルギーが「元の温度」に戻ってしまうことです。短期の対応としてまとまれたとしても、中長期の制度設計や負担の分担が曖昧なままだと、現実の局面でほころびが出やすい、という見立てです。
「ルール」から「実行」へ:問われるのは足腰
トゥーズ氏は、欧州が掲げてきた規範やルールの言葉を、具体的な実行に落とし込む必要があると強調します。言い換えると、宣言や理念が並ぶだけでは、対外環境の変化に耐える力になりにくい、という問題意識です。
この視点は、欧州をめぐる国際ニュースを読むときの見取り図にもなります。外圧が強い間は合意が進みやすい反面、状況が落ち着いたときに「誰が、何を、どこまで担うのか」という現実的な線引きが前面に出てくるからです。
2026年1月時点での注目点:勢いを制度に変えられるか
今回の発言が示す焦点は、欧州が一時的な危機対応を、継続的な能力(自立性)へ転換できるかどうかにあります。圧力で生まれた結束を、日々の政策判断と実装に落とし込み、揺り戻しを抑えられるのか。今後の議論では、言葉よりも「行動の積み上げ」が指標になっていきそうです。
※本記事は、CGTNの田薇氏による独占インタビューでのトゥーズ氏の発言要旨にもとづき構成しました。
Reference(s):
cgtn.com








