中国本土で進む街角の緑化再生 上海・福州の“すき間”が緑のオアシスに video poster
2026年2月現在、中国本土では都市の「緑」を増やす取り組みが広がっています。上海と福州では、河川敷や道路脇、見過ごされがちな街角の空きスペースまで緑が入り込み、暮らしの景色そのものが静かに変わり始めています。
何が起きている?──丘陵・河川・道路沿いから“路地の角”まで
今回の動きの特徴は、広い公園を新設するだけではなく、都市のあちこちに点在する小さな場所を「緑の単位」として積み上げていく点です。具体的には、次のような場所が再生の対象になっています。
- 丘陵地の斜面(崩れやすい土壌の保護や景観の回復)
- 河川敷や川沿い(護岸周辺の緑化、歩行空間の改善)
- 道路脇・中央分離帯(緑の連続性をつくる)
- 建物の裏手、行き止まり、空き地など「忘れられた角」
大規模開発の“目玉”よりも、日々通るルートの手触りが変わる——そんなタイプの都市再生です。
上海の例:水辺と道路沿いの回復が「街の呼吸」をつくる
上海では、河川周辺や道路沿いの再整備が進み、緑が「線」として街をつなぐイメージが強まっています。水辺の修復と植栽を組み合わせることで、移動中に緑が途切れにくくなり、都市の中に小さな余白が増えていきます。
こうした“線の緑”は、見た目の変化だけでなく、歩く・自転車で移動する際の快適さにも直結しやすいとされます。
福州の例:斜面や河川、取り残された場所が「点」から生き返る
福州では、丘陵の斜面、河川沿い、道路脇といった基盤的な環境の手入れとともに、日陰になりやすいスペースや使われなくなった角地など、都市の“見落とし”を緑地へ転換する動きが目立ちます。
「広い緑地を一つ」ではなく、「小さな緑地をいくつも」。点在する緑が生活動線に入り込むことで、街が少しずつ柔らかい表情を取り戻していきます。
なぜ今、路地や裏通りの緑化が注目されるのか
都市の緑化は以前から行われてきましたが、近年は“すき間”の価値が再評価されやすくなっています。背景には、次のような狙いが重なります。
- 暑さへの備え:日陰や蒸散(植物が水分を放出する働き)による体感の変化が期待される
- 水の扱い:雨水の流れを整え、都市の負荷を減らす発想が広がる
- 生活の質:通勤・通学や買い物の途中に「立ち止まれる場所」が生まれる
- 景観の修復:使われない空間の“荒れ”を、手入れ可能な緑へ置き換える
言い換えると、緑は「飾り」ではなく、都市のインフラの一部として扱われつつあります。
今後の注目点:増やすだけでなく「維持する」フェーズへ
街角の緑化は、つくった直後よりも、その後の維持で評価が分かれやすい分野です。今後は、次の点が焦点になりそうです。
- 管理の仕組み:水やり、剪定、防犯・安全面の運用をどう回すか
- 地域の関わり方:行政主導だけでなく、周辺住民や事業者が無理なく関われる設計になっているか
- 効果の見える化:暑さ、歩行量、満足度などをどう測り、改善につなげるか
路地や裏通りのような小さな場所ほど、成果は派手ではありません。そのぶん、積み上げが進んだとき、都市の印象が大きく変わる——上海と福州の変化は、その可能性を静かに示しています。
Reference(s):
cgtn.com








