中国本土の「買い替え補助」:3.92兆元の需要喚起とグリーン転換 video poster
2026年3月現在、中国本土で進む消費財の「下取り・買い替え(トレードイン)」支援策が、景気下支えと環境配慮を同時に狙う政策として注目されています。2024年に始まった全国規模の制度は、家電や自動車を省エネ型へ更新する消費者に補助を出し、需要を呼び起こしてきました。
何が行われている?──全国規模のトレードイン補助
制度の骨格はシンプルです。古い家電・車などを手放し、エネルギー効率の高い製品へ買い替える際に補助金で後押しします。消費を刺激するだけでなく、製品の省エネ化・低炭素化を進める狙いも重ねています。
数字で見るインパクト:最初の2年で3.92兆元
開始から最初の2年間で、このプログラムは3.92兆元(約5400億米ドル)の販売を生み、消費者が恩恵を受けた機会は4億9400万回にのぼったとされています。日用品に近い領域で「買い替え」を促す設計が、裾野の広い需要につながったかたちです。
自動車は「低炭素シフト」が可視化:NEVが57.2%
とりわけ分かりやすいのがモビリティ分野です。2025年の最初の10カ月だけで、車のトレードイン申請は1000万件超。そのうち新エネルギー車(NEV)が57.2%を占めたとされ、買い替え需要が低炭素移動手段へ寄っていく様子がデータで示されました。
NEVは一般に、電動化などを通じて走行時の排出を抑える車種群を指します。補助が「買い替える理由」を強め、選択肢の質(省エネ性能)も押し上げる構図が読み取れます。
循環型経済を押し上げる:回収→再資源化→製造へ
この政策がもう一つ重視するのが、古い製品の回収・リサイクルです。使用済み製品を回収し、そこから得た材料を製造工程へ戻していくことで、資源の有効活用と廃棄物の削減を図ります。消費喚起とサステナビリティを「別々に」ではなく、同じ制度の中で接続しようとしている点が特徴です。
2026年に見るべきポイント:需要と環境の“両立設計”は続くか
2024年開始の制度は、2025年にかけて利用が積み上がり、2026年に入った今も「景気の下支え」と「グリーン転換」を同時に進める手段として位置づけられています。今後は、補助の対象範囲、回収・再資源化の運用、消費者が実感できる利便性など、制度設計が需要の質をどこまで高められるかが焦点になりそうです。
消費者の財布に効く政策でありながら、選ばれる製品の方向性を省エネ・低炭素へと静かに誘導する——。中国本土のトレードインは、「景気対策」と「環境政策」を同じテーブルで扱うやり方として、2026年も観察が続きます。
Reference(s):
The Art of Governance: China's trade-ins as economic momentum
cgtn.com








