中国の深宇宙探査、次の一手は?天問2・3・4が示すロードマップ video poster
2026年3月時点で、中国の深宇宙探査は「次にどこへ向かうのか」が具体的に語られる段階に入っています。CGTNのインタビューで、中国航天科技集団(CASC)の研究者で全国人民代表大会(全人代)代表でもある孫沢洲氏が、天問(Tianwen)計画の今後のミッション像を示しました。
孫沢洲氏が語った、天問ミッションの“これから”
インタビュー内容を整理すると、焦点は大きく3本柱です。
- 天問2:近地球小惑星のサンプル(試料)を採取し、地球へ持ち帰る
- 天問3:火星のサンプルリターン(試料回収)を目指す
- 天問4:木星の探査に向かう
さらに、将来ミッションには国際協力の余地があり、海外の観測機器(国際ペイロード)を搭載する枠が用意される可能性にも言及しています。
天問2:小惑星サンプル回収が「次の科学」を運ぶ
孫氏によると、天問2はすでに近地球小惑星のサンプルを採取し、地球へ輸送するミッションとして航行を開始しています。サンプル回収は、遠方天体を“観測する”だけでなく、物質そのものを地上で詳しく分析できる点が特徴です。
何が分かるのかは、最終的には持ち帰った試料の性質と分析次第ですが、一般にサンプルリターンは天体の成り立ちや変化の履歴を、より細かな手がかりから読み解く道を開きます。
天問3・天問4:火星の試料回収、そして木星へ
今後の展望として、孫氏は次の2ミッションにも触れました。
- 天問3:火星から試料を持ち帰ることを目標にする
- 天問4:木星を探査する
火星サンプルリターンは、長距離の往復飛行に加えて、現地での回収・保管・輸送まで一連の工程が必要になります。一方、木星探査は距離の問題だけでなく、探査環境の厳しさも含め、ミッション設計の難易度が高い領域として知られています。今回の発言は、天問計画が段階的に射程を広げていることを印象づけます。
国際協力はどう進む?「国際ペイロード枠」という現実的な入口
孫氏は、将来のミッションで国際協力を継続する考えを示し、海外の観測装置などを搭載できる余地があるとも述べました。ここでいう国際ペイロードは、共同で宇宙機を開発する形に限らず、特定の観測機器やセンサーなどを相互に持ち寄る形も含み得ます。
深宇宙探査は、データの価値が大きい一方で、コストや技術的ハードルも高くなりがちです。搭載機器という単位で協力の接点をつくることは、現実的な協力モデルとして注目されます。
いま注目したいポイント(2026年3月の時点)
- 天問2の航行・サンプル回収プロセスに関する続報が、どのタイミングでどこまで開示されるか
- 天問3が「火星の試料回収」をどの方式で実現しようとするのか(工程や役割分担の考え方)
- 天問4の木星探査で、観測対象やミッションの狙いがどう言語化されていくか
- 国際ペイロードの枠組み(募集方法、搭載条件、データ共有の扱いなど)がどのように設計されるか
宇宙探査は、ニュースとしては「打ち上げ」や「到着」が注目されがちですが、その間に積み重なる運用判断や協力の設計が、次の成果を左右します。天問計画の次章は、まさにその“途中経過”の厚みが試されるフェーズに入りつつあるのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








