「グローバルサウス連携は商業的に組める」マレーシアASLI CEOが語る相互利益 video poster
マレーシアのシンクタンク「Asian Strategy and Leadership Institute(ASLI)」のCEO、ダニアル・ラーマン氏がCGTNのインタビューで、「グローバルサウス同士のパートナーシップ(いわゆるSouth-South連携)は、商業的に構造化でき、双方に利益をもたらし得る」と述べました。援助か対立か、という単純な二択ではなく、ビジネスとして成立する枠組みで協力を設計できる――この見立てが、いま静かに注目を集めています。
インタビューで示されたポイント:「相互利益」と「商業的な設計」
ラーマン氏の発言の核は、「South-South連携は理念だけでなく、商業的に組み立てられる」という点です。つまり、資金・技術・市場へのアクセスなどを、片側の“持ち出し”としてではなく、双方のリターンを前提にデザインできる、という考え方です。
そもそも「グローバルサウス」「South-South連携」とは
グローバルサウスは、一般に新興国・途上国を中心とした国や地域の総称として使われる言葉です。そしてSouth-South連携は、そうした国や地域どうしが、貿易・投資・人材育成・技術協力などで横のつながりを深める動きを指します。
この枠組みが語られるとき、従来は「支援」や「政治」の文脈で捉えられることもありました。一方で今回の発言は、協力を“商業的に成立するプロジェクト”として設計し、継続性を高める方向に目を向けています。
「商業的に構造化する」とは何を意味するのか
インタビューの短い言葉の中には、現実的な示唆が含まれます。商業的に構造化するとは、たとえば次のような論点を最初から織り込む、という発想です。
- 収益とリスクの分担:どこで利益が生まれ、損失が出た場合に誰がどう負担するか
- 長期運用の前提:単発ではなく、保守・更新・人材育成まで含めて続く形にする
- 透明性と説明可能性:資金の流れや契約条件が、関係者にとって理解しやすい形になっているか
こうした設計がうまくいけば、「善意に依存する協力」ではなく「継続する取引」として関係が積み上がる可能性があります。
“援助”でも“ゼロサム”でもない協力をどう作るか
相互利益をうたう連携は、言葉としては魅力的ですが、実務では細部が成果を左右します。たとえば、利益の定義が短期の売上なのか、雇用や技術移転まで含むのかで評価は変わります。また、協力の“対等さ”は、金額の大小だけでは測れず、交渉力や制度、情報量の差が影響することもあります。
だからこそ、「商業的に構造化できる」という発言は、理想論の強調というより、条件設計を詰めることで協力の持続性を上げるという問題提起として受け止められそうです。
今後の注目点:言葉を「仕組み」に落とし込めるか
South-South連携が“互いに得をする形”として広がるかどうかは、スローガンではなく、契約・資金・運用のディテールにかかっています。今後は、次のような観点が注目されます。
- 誰が意思決定し、誰が説明責任を負うのか
- 現地側に残る価値(人材・技能・運用能力)が設計されているか
- 合意の前提となる情報が共有されているか
ラーマン氏の言う「商業的に構造化できる」という一言は、グローバルサウスの協力を“理念”から“設計”へと引き寄せるヒントとして、しばらく参照されることになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








