視覚障がいスイマーLiu Zejiao、チャンピオンへの軌跡 video poster
視覚障がいがあっても、水の中では誰もが自由になれる――。中国・湖南省武岡県出身のスイマー、Liu Zejiao さんは、偶然のきっかけで水泳の才能を見いだし、湖南省の水泳チームでの鍛錬を通じて、チャンピオンと呼ばれるまでに成長しました。
偶然から始まった水泳人生
国際ニュースやスポーツニュースでは、幼い頃から英才教育を受けたスター選手の物語が語られがちです。しかし、Liu さんが水泳と出会ったのは、本人も「全くの偶然」と表現するような、思いがけないきっかけでした。
視覚に障がいがある人にとって、新しいスポーツに挑戦すること自体が大きなハードルになります。どこに何があるのか、周囲の状況を把握するには、人のサポートや細かな配慮が欠かせないからです。それでもLiu さんは、水の中で感じる身体の感覚に可能性を見いだし、自分のペースで一歩を踏み出しました。
湖南省水泳チームで広がった可能性
転機となったのが、湖南省の水泳チームに加わったことでした。専門のコーチやチームメイトに囲まれた環境は、単に記録を伸ばすだけでなく、「自分はどこまで行けるのか」という視野を大きく広げる場でもあります。
視覚障がいがあっても、適切なトレーニング環境とサポートがあれば、高いレベルを目指せる――。Liu さんは、その事実を自らの成長を通じて証明していきました。日々の練習の積み重ねのなかで、自分の泳ぎを客観的に見つめ、課題を一つずつ乗り越える姿勢が養われていったと考えられます。
視覚障がいのハンディを乗り越える「努力」と「規律」
いまのLiu さんは、たゆまぬ努力と自己管理によって、視覚障がいがもたらす多くの課題をおおむね克服し、「真の達人」と評される域に達しています。
視覚障がいのあるスイマーにとっては、次のような点が大きな課題になります。
- スタート台や壁との距離感をつかむこと
- まっすぐ泳ぎ続けるための方向感覚を保つこと
- レース中に他の選手との位置関係を把握すること
こうしたハンディを埋めるには、感覚を研ぎ澄ます反復練習と、日々の生活も含めた厳格な自己管理が欠かせません。Liu さんは、まさにその「努力」と「規律」を積み重ねることで、自らの強みを最大限に引き出してきたと言えるでしょう。
2025年の私たちに投げかけるもの
2025年のいま、障がいのある人の活躍は、日本でも中国でも少しずつニュースとして取り上げられるようになってきました。それでもなお、「できること」「できないこと」を周囲が先に決めてしまう場面は少なくありません。
偶然の出会いをきっかけに、水泳のチャンピオンへと駆け上がったLiu Zejiao さんの歩みは、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 本人の可能性を、周囲の思い込みで狭めていないか
- 挑戦したい人が、一歩を踏み出せる環境を整えられているか
- 結果だけでなく、その過程にある努力や工夫に目を向けているか
ニュースとして伝えられる「チャンピオン」の裏側には、見えない努力と、見えにくい障壁を乗り越えてきた時間があります。Liu さんの物語は、その一端を静かに教えてくれるケースだと言えるでしょう。
日々の通勤電車のなかや、SNSで流れてくる国際ニュースを眺めるとき、こうしたストーリーを思い出すことは、自分自身の「できること」を少し広げてみるきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
A visually impaired swimmer's journey to becoming a champion
cgtn.com








