中国本土のボタン農家とオランダ一家 22年続く花のパートナーシップ video poster
中国本土のボタン農家・王建利さんと、1950年代から木立性ボタンを育ててきたオランダのウィンドホルスト一家。2003年、ヨーロッパの園芸博で始まった出会いから22年、国境を超えた「花のパートナーシップ」は今も静かに広がり続けています。
ヨーロッパの園芸博で生まれた「偶然の縁」
22年前のヨーロッパの園芸博覧会で、王さんとウィンドホルスト家は初めて出会いました。中国本土からボタンを携えて参加した王さんと、1950年代から木立性ボタンに取り組んできたオランダの家族経営の生産者。世代も文化も異なる二者が、同じ花を通じて強く惹かれ合った瞬間でした。
王さんにとっては、自分の育てたボタンがヨーロッパの来場者にどう受け止められるのかを確かめる機会でした。一方のウィンドホルスト一家にとっては、中国本土で受け継がれてきたボタン栽培の知恵と向き合うきっかけになりました。
中国本土のボタンとオランダのノウハウが出会う
中国本土では、ボタンは長く親しまれてきた花であり、栽培技術も地域ごとに蓄積されています。王さんは、その経験を土台にしながら、海外の市場やニーズに合わせた品種づくりに挑戦してきました。
一方、オランダは世界有数の花の産地として知られています。ウィンドホルスト一家は、長年の現場経験をもとに、ヨーロッパの気候や流通に合った木立性ボタンの育て方を磨いてきました。
この二つの背景が重なり合うことで、ボタンの育種や栽培、出荷のあり方に新しい可能性が生まれていきました。
言葉も気候も違う中で、どう協力してきたのか
中国本土とオランダでは、言葉も気候もビジネス習慣も違います。それでも22年間協力が続いてきた背景には、いくつかの共通した姿勢があるようです。
- 試行錯誤を前提にする姿勢
土壌や温度、日照条件が異なる中で、同じ品種がそのまま育つとは限りません。両者は、失敗も含めてデータとして共有し、次のシーズンに活かしてきました。 - 「技術」だけでなく「価値観」を共有
ボタンをどう見せたいか、どんな人に届けたいかといった価値観まで話し合うことで、単なる輸出入ではない協力関係を築いてきました。 - 家族経営ならではの柔軟さ
ウィンドホルスト一家のような家族経営の生産者は、意思決定が早く、現場の感覚をそのまま反映しやすいという強みがあります。王さん側も、それに合わせて小さな改良を積み重ねてきました。
「ブーム」ではなく「レガシー」としてのボタンづくり
花の世界は、流行の変化が早い側面もあります。しかし、王さんとウィンドホルスト一家が目指してきたのは、短期的なブームではなく、長く残る「レガシー(遺産)」としてのボタンづくりです。
彼らの取り組みは、単に花を増やすことではありません。世代を超えて受け継がれてきた栽培技術を尊重しながら、新しい市場や地域にボタンの魅力を広げていく試みでもあります。まさに「booming(成長)」であり「blooming(開花)」でもある歩みと言えるでしょう。
2025年のいま、花が教えてくれる国際協力のかたち
2025年のいま、出会いから22年が過ぎても、王さんとウィンドホルスト一家の協力は続いています。この物語は、政治や経済の議論とは少し離れたところで、花を通じて静かに進む国際協力の一例です。
国や言語が違っても、同じ対象に情熱を注ぐ人どうしであれば、長期的な信頼関係を築くことができる――そんな当たり前のようでいて、なかなか実践が難しいことを、彼らはボタンの畑から示しています。
ニュースを読む私たちにとっても、「何を一緒に育てたいのか」「どんなレガシーを残したいのか」を考えるヒントになるかもしれません。次にボタンの花を見かけたとき、その背後にある中国本土とオランダの物語に、少しだけ思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
A floral bond between a Chinese peony grower and a Dutch family
cgtn.com








