マレーシアとベトナムで進む再生可能エネルギー革命 video poster
マレーシアの垂直ソーラーガーデン、ベトナムの季節風と調和する風力タービン──東南アジアで進む再生可能エネルギーの動きは、電力を生むだけでなく、地域の文化や暮らし方そのものを変えつつあります。脱炭素と経済活性化を同時に進める、この「グリーンの糸」の広がりを見ていきます。
マレーシアに広がる「垂直ソーラーガーデン」
情報によると、マレーシアではソーラーパネルが「垂直の庭」のように配置されるケースが増えています。建物の壁面や細長い構造物にパネルを並べることで、限られた土地を有効活用しながら、緑化と発電を同時に実現しようとする発想です。
この「垂直ソーラーガーデン」は、単なるインフラとしての設備ではなく、街並みや農村の風景に溶け込むデザインとして構想されている点が特徴です。地域の人々が日常的に目にし、時にはその周りに植物が植えられることで、「エネルギーをつくる風景」が当たり前のものとして受け入れられています。
季節風と響き合うベトナムの風力タービン
ベトナムでは、モンスーン(季節風)の風をとらえる風力タービンが、一定のリズムで回転し続けています。報告によれば、これらのタービンは強い季節風を前提に配置され、地域の気候と「調和する」ように運転が設計されています。
風車が並ぶ光景は、単に発電設備としての存在を超え、海岸線や丘陵地の新しいランドマークにもなっています。観光客や地域の若者が写真を撮りに訪れるなど、「エネルギー設備=立ち入りにくい場所」というイメージを変えつつある点も注目されます。
国境を越えて伸びる「グリーンの糸」
マレーシアのソーラーガーデンとベトナムの風力タービンは、直接つながった一つの発電所ではありません。しかし、脱炭素や再生可能エネルギーという共通の方向性を持つことで、東南アジア全体に「国境を越えるグリーンの糸」が広がっているとも言えます。
こうした動きは、技術だけでなく文化や価値観の共有にもつながります。たとえば、次のような変化が生まれています。
- エネルギー設備を「景観の一部」として考える設計思想の共有
- 地域コミュニティが主体的に関わる発電プロジェクトへの関心の高まり
- 再生可能エネルギーをテーマにした教育・学習プログラムの拡充
2025年の今、こうした取り組みは、アジアの国際ニュースとしても注目すべき動きになっています。
脱炭素が経済を動かす:スマートグリッドからエコツーリズムまで
再生可能エネルギーの広がりは、環境対策にとどまらず、経済の形にも変化を与えています。マレーシアとベトナムの事例では、とくに次の2点が象徴的です。
1. スマートグリッドによる電力の見える化
スマートグリッドとは、通信技術を活用して電力の需要と供給をきめ細かく制御する「かしこい送配電網」のことです。再生可能エネルギーは天候に左右されやすいため、どの時間帯にどれくらい電力が生まれ、どこで使われているのかを把握する仕組みが欠かせません。
スマートグリッドが導入されることで、家庭や企業は自分たちの電力利用を把握しやすくなり、省エネ行動が取りやすくなります。同時に、余った電力をどこに回すかという判断も柔軟に行えるようになり、地域全体での効率的な電力利用が期待できます。
2. エネルギー回廊に沿ったエコツーリズム
もう一つのポイントが、再生可能エネルギーと観光の連携です。マレーシアの垂直ソーラーガーデンや、ベトナムの風力タービンが並ぶ一帯は、「エネルギー回廊」として位置づけられ、エコツーリズムのルートにもなりつつあります。
訪れた人が、発電設備を見学しながら、地域の自然や文化、食を楽しむ流れが生まれれば、「環境に配慮した旅行」がより具体的な体験として共有されます。これにより、
- 地域に新たな雇用や収入源が生まれる
- 再生可能エネルギーに対する理解と支持が広がる
- 脱炭素の取り組みが、暮らしに直結するテーマとして根付く
といった、環境と経済の両面でのプラスの循環が期待できます。
「読みやすいのに考えさせられる」視点:日本から何を学ぶか
マレーシアとベトナムの再生可能エネルギーの事例は、日本にとっても示唆に富んでいます。とくに、次の点は日本のエネルギー政策や地域づくりを考えるうえで参考になるでしょう。
- 設備を「見えない場所」に隠すのではなく、「見せるインフラ」としてデザインする発想
- エネルギー政策を、技術やコストだけでなく「文化」や「景観」と結びつけて考える視点
- エネルギー回廊と観光、教育を組み合わせた地域ブランドづくり
通勤中のニュースチェックでも、SNSでのシェアでも、「エネルギー=難しい話」というイメージから一歩離れて、「自分たちの街にこんなソーラーガーデンや風車があったらどう感じるだろう?」と想像してみるきっかけになるかもしれません。
国境を越えて広がるグリーンの糸は、東南アジアだけでなく、日本や世界のエネルギーの未来を考えるうえで、静かに、そして確かにヒントを投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








