シザン高原で育つ「She power」 女性たちが拓くブドウ畑の物語 video poster
中国西部の高原地域・シザン(Xizang)で、1人の女性が村の暮らしを静かに変えつつあります。ラサ近郊のナンム村で、ノドゥルプ・ワンモ(Ngodrup Wangmo)さんが女性たちと共に16エーカーのブドウ畑を立ち上げ、高原に新しい産業の芽を育てています。
高原の村に根づく「She power」
ノドゥルプ・ワンモさんは、ナンム村でよく知られた「先駆者」です。彼女の起業家精神が、ナンム村の女性たちを動かしました。ワンモさんは一人で事業を始めるのではなく、村の女性たちに声をかけ、ブドウ畑を共に管理する仕組みをつくりました。
この動きは、女性の力を意味する「She power」を体現するものです。家事や家族のケアを担ってきた女性たちが、畑の経営にも関わり、村の経済を支える新しい担い手になりつつあります。
チャムドから学んだブドウ栽培
ナンム村にとって、ブドウはもともと身近な作物ではありませんでした。ワンモさんは、シザンのチャムド(Qamdo)地域で行われているブドウ栽培に注目し、その栽培方法をナンム村に取り入れました。
標高が高く、気候条件も厳しい高原でブドウを育てるのは、決して簡単ではありません。それでも、16エーカーの畑に挑戦した背景には、「高原でも新しい作物は育てられる」という確かな手応えと、村全体で挑戦してみようという前向きな空気があります。
豊かな収穫がもたらした村の変化
このブドウ畑は、いまでは豊かな収穫を生み出し、ナンム村の暮らしに目に見える変化をもたらしています。収入源が増えたことで、家計の安定につながるだけでなく、村の人びとの表情や将来への意識も変わってきました。
とりわけ、畑の管理に携わる女性たちにとっては、収入だけでなく、「自分の力で村を支えている」という実感が大きいと言えます。畑の作業や運営に参加する中で、女性同士のネットワークも生まれ、学び合い・支え合う関係が育っています。
ナンム村のブドウ畑は、高原での暮らしをより豊かにするだけでなく、「女性が前に出ること」が村全体の希望や活力につながることを示す象徴的な存在になりつつあります。
地方から考える、これからの女性リーダー像
国際ニュースというと、都市部や国家レベルの動きに注目が集まりがちです。しかし、シザン高原の一つの村で起きている変化は、「小さなロールモデル」が社会を静かに動かしていく過程そのものと言えるでしょう。
ノドゥルプ・ワンモさんのような地域の女性リーダーは、派手なスローガンではなく、具体的な行動と長期的な視点で周囲を巻き込みます。16エーカーの畑を女性たちと共に育てるという現実的なプロジェクトが、結果として村の意識を変え、高原での暮らしに新しい選択肢を生み出しています。
高原に根づく「She power」は、都市部で働く私たちにとっても、「身近な場所で何ができるのか」「誰と一緒に変化をつくるのか」を考え直すきっかけになります。シザンのナンム村から届いたこの小さな物語は、2025年のいまを生きる私たちに、静かな問いを投げかけているようです。
Reference(s):
cgtn.com








