子ども病棟がアートギャラリーに Sun Yat-sen University 第1附属病院の挑戦 video poster
子どもたちが過ごす病棟が、ある日「アートギャラリー」に生まれ変わりました。Sun Yat-sen University 第1附属病院の小児病棟で始まったこの試みは、医療スタッフとアーティスト、そして子どもたち自身が協力し、「創造性」で心を癒やそうとする取り組みです。
子ども病棟が「アートギャラリー」になるとき
Sun Yat-sen University 第1附属病院の小児病棟は、いま静かに姿を変えつつあります。ベッドが並ぶだけの「治療の場」だった空間に、子どもたちやアーティストが描いた作品が飾られ、病棟全体が小さなアートギャラリーのような雰囲気になっているのです。
そこでは、子どもたちの絵や工作に加え、医療スタッフが参加した作品も並びます。病棟に一歩足を踏み入れたときに感じる空気は、従来の「病院らしさ」から、色彩と物語に満ちた「創造の空間」へと変わっています。
医療スタッフ・アーティスト・子どもたちの共作
このアートギャラリーをつくったのは、医療スタッフとアーティスト、そして入院している子どもたち自身です。子どもたちは絵を描いたり、色を選んだりしながら、自分のペースで表現に参加します。医師や看護師もアイデアを出し、一緒に作品づくりに関わりました。
病棟の空間そのものを、関わる人たちが共同でつくりあげることで、「病院の決まりごとに従うだけ」の場から、「みんなで形を変えていける場所」へと意識が変わっていきます。これは、医療チームにとっても、子どもたちや家族にとっても、新しい関係づくりのきっかけになり得ます。
「創造すること」がもたらす癒やし
小児病棟では、子どもたちは不安や痛み、退屈さと長く付き合わざるをえません。今回の取り組みは、そんな日常の中に「つくる時間」と「眺める楽しさ」を持ち込むことで、心の負担を少しでも和らげることを目指しています。
自分の描いた絵が病棟の壁に飾られることで、子どもたちは「患者」としてではなく、「アーティスト」として認められる感覚を得ることができます。それは、治療を「される」だけの存在から、空間を一緒につくりあげる主体になるという変化でもあります。
子どもの日スペシャルとしての動画
このアートギャラリーの様子は、子どもの日(Children's Day)の特別企画として動画にもまとめられています。動画を通じて、この取り組みのあたたかな雰囲気が外の世界にも伝えられています。
病棟という閉じた空間で生まれた小さな変化を、映像というかたちで共有することで、「病院=つらい場所」という固定観念を少しずつほぐしていく。その静かなメッセージがにじむ企画と言えるでしょう。
世界の病院で広がる「アートのあるケア」
医療とアートを組み合わせる発想は、世界各地の病院でも広がりつつあります。絵画や音楽、インスタレーション(空間全体を使った作品)などを取り入れ、患者や家族が少しでもリラックスできる環境づくりを目指す動きです。
Sun Yat-sen University 第1附属病院の小児病棟での取り組みも、その一つのかたちと言えます。病気そのものを直接治すわけではありませんが、「ここにいても大丈夫だ」と感じられる空間をつくることは、子どもたちや家族にとって大きな支えになります。
日本でできることを考える
日本でも、病院や学校、地域の施設でアートを取り入れる動きが少しずつ広がっています。今回紹介した小児病棟の「アートギャラリー」は、そうした試みの可能性を改めて考えさせてくれる例です。
- 病院の待合室や廊下に、地域の子どもたちの作品を飾る
- 入院中の子どもたちがオンラインで参加できる創作ワークショップを開く
- アーティストと医療スタッフが連携し、病棟のデザインを一緒に考える
こうした小さな工夫でも、「治療の場」を「安心して過ごせる場所」へと近づけることができるかもしれません。
「ニュース」としてのやさしさ
紛争や政治、経済の不安定さが伝えられることの多い国際ニュースの中で、Sun Yat-sen University 第1附属病院の小児病棟の取り組みは、日常の現場から生まれた静かなニュースです。
子ども病棟をアートギャラリーに変えるという発想は、特別な技術や巨大な予算がなくても、工夫と協力次第で実現できるものです。遠く離れた病院で始まったこの小さな試みから、私たちの身近な場所を少しだけやさしくするヒントを受け取ってみませんか。
Reference(s):
cgtn.com








