Xisha諸島の守り人:漁師たちの「島礁レンジャー」が海を守る video poster
Xisha諸島の守り人:漁師たちの「島礁レンジャー」が海を守る
2017年から、Xisha諸島(Paracels)では漁師たちが自ら「島礁レンジャー」チームを組み、島と周辺海域のエコシステムを見守っています。CGTNはザオシュー島(Zhaoshu)を訪れ、その日常的なパトロールに同行しました。漁業と環境保護がどのように結びついているのかを考えさせてくれる取り組みです。
漁師が「島礁レンジャー」に──2017年から続く取り組み
島礁レンジャーは、Xisha諸島で暮らし、働く漁師たちが2017年から結成してきたチームです。彼らは単に漁をするだけでなく、島と海をひとつの「総合エコシステム」ととらえ、その状態を日々見守る役割も担っています。
漁の現場をよく知る人々が中心となることで、海の変化に敏感に気づきやすくなります。こうした現地コミュニティ主導の取り組みは、2025年の今も続き、約8年にわたり島の環境を支える仕組みとして根づきつつあるといえます。
ザオシュー島で見る、レンジャーたちの一日
CGTNはザオシュー島を訪れ、島礁レンジャーたちの巡回に同行しました。カメラは、彼らが島の周囲を回りながら、海岸線や岩礁、浅瀬のようすを細かく見ていく様子を追っています。
パトロールは、特別なイベントではなく、彼らの日常の一部です。漁に出る前後や、海況が落ち着いている時間帯を使い、
- 海岸や岩礁の状態を目視で確認する
- 島の植生や生き物の様子の変化に気を配る
- 気づいた変化や課題を仲間同士で共有する
といった地道なチェックを繰り返していきます。専門的な調査機器がなくても、日々同じ海を見続けてきた漁師の目だからこそ分かる変化があります。
「総合エコシステム」を見守るという視点
島礁レンジャーが監督しているのは、単に海の一部分ではありません。島の地形や植生、周辺のサンゴ礁や魚、海鳥など、島と海が一体となった「総合エコシステム」です。
島の植物が減れば、海鳥の営巣環境が変わり、やがて栄養塩の循環にも影響します。サンゴ礁が傷めば、魚のすみかが減り、漁獲にも跳ね返ります。このように、陸と海、目に見える資源と見えにくい環境が互いに支え合っているという発想が、取り組みの根底にあります。
暮らしと海を同時に守るという発想
漁師たちが自ら島礁レンジャーとして動く背景には、「環境を守ることは、自分たちの暮らしを守ることでもある」という感覚があります。短期的な漁獲量だけを追うのではなく、次の世代、その先の世代が同じ海で生きていけるかどうかを考える視点です。
こうした意識は、世界各地の沿岸コミュニティでも共通するテーマです。Xisha諸島の事例は、海とともに生きる地域が自らルールや役割をつくり、長期的な視点で資源と環境を守ろうとする一つの形だといえるでしょう。
2025年の今、私たちへの問いかけ
2017年に始まった島礁レンジャーの取り組みは、2025年の今も続いています。ザオシュー島を巡回する漁師たちの姿は、遠い海の出来事でありながら、海洋ゴミ、気候変動、資源管理といった問題に直面する私たち自身の姿とも重なります。
ニュースとして伝えられるのは、ほんの一つの島の小さな物語かもしれません。しかし、その背後には、
- 海とどう付き合うのか
- ローカルな知恵をどう生かすのか
- 環境と経済をどう両立させるのか
といった大きな問いが隠れています。Xisha諸島の「守り人」たちの活動は、海に囲まれた日本に暮らす私たちにも、静かに考えるきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








