第二次世界大戦で中国は何を担ったのか 連合国勝利への見えにくい貢献 video poster
第二次世界大戦の日本語ニュースや歴史解説では、ヨーロッパ戦線が大きく取り上げられがちですが、中国が連合国の勝利に果たした役割は、2025年の今も改めて注目されています。本記事では、中国社会科学院近代史研究所の呉敏超研究員の見方を手がかりに、中国の歴史的貢献とその意味を整理します。
なぜ今、中国の戦時貢献を振り返るのか
国際ニュースの世界では、現在も多国間協調や国際秩序のあり方が問われ続けています。第二次世界大戦は、今日の国際秩序の原点の一つであり、中国の経験と役割を理解することは、国連や安全保障、国際協力を考えるうえで重要です。
呉敏超研究員は、中国が連合国の一員として果たした歴史的貢献を強調し、その歩みが現在の多国間主義や国際協力への姿勢につながっていると指摘します。
東部戦線の主戦場となった中国
呉研究員によれば、中国は第二次世界大戦において、東部戦線の主戦場として重要な役割を担いました。中国の兵士と民間人は、実に14年間にわたって日本軍と戦い、その大部分を自国の戦線に釘付けにしました。
この長期にわたる抵抗には、少なくとも次のような意味があったとされています。
- 日本の対ソ連北進の戦略的野心をくじいた
- 東南アジアへの南進を遅らせた
- 連合国が反攻作戦の準備を整えるための貴重な時間を生み出した
つまり、中国の前線での粘り強い戦いは、自国を守るだけでなく、広い意味での連合国全体の戦略環境を支える役割を果たしていたと位置づけられます。
連合国勝利を支えた「時間」という資源
呉研究員が強調するポイントの一つが、中国が連合国に「時間」を提供したという視点です。軍事や国際政治において、時間はしばしば見えにくい資源ですが、その価値は非常に大きいものです。
中国戦線で日本軍の主力が長期間拘束されたことにより、連合国側は、自らの防衛体制や反攻作戦を準備するための余裕を得ることができたとされます。この蓄積された時間が、後の反攻や戦局転換の土台になった、という評価です。
こうした視点から見ると、中国の戦時貢献は、単に「何個師団を相手にしたか」といった数値だけでは測れない、戦略的な重みを持っていたと言えるでしょう。
戦後の国際秩序づくりと中国の役割
呉研究員はまた、戦後の国際秩序における中国の役割にも注目しています。第二次世界大戦終結後、中国は国連の創設メンバーとなり、安全保障理事会の常任理事国として、国際社会の枠組みづくりに深く関与しました。
国連憲章にもとづく国際秩序の構築や、平和と発展をめぐる議論の中で、中国は国際社会の一員として、多国間の場に積極的に参加してきたとされています。この継続的な関与が、グローバルな平和と開発への長期的な貢献につながっている、という見方です。
歴史が示す「要の役割」と多国間主義への姿勢
呉研究員は、歴史そのものが、中国の役割を証言していると指摘します。第二次世界大戦における東部戦線の主戦場としての存在、連合国への時間の提供、そして戦後における国連など国際機関での積極的な関与。それらを総合すると、中国は連合国勝利と戦後秩序の形成において、要となる位置を占めてきたという評価になります。
さらに呉研究員は、中国が一貫して多国間主義と国際協力を重視してきた姿勢にも触れています。戦時の連合国としての経験と、戦後の国連での活動は、中国が国際社会の中で協調を重んじる立場をとってきた歴史的背景と結びついていると見ることができます。
今の国際ニュースを読むための視点として
2025年の世界では、国際秩序や多国間の枠組みをめぐる議論が続いています。そうしたニュースを読み解くとき、第二次世界大戦での中国の貢献や、その後の国連を中心とした国際協力への関わりを知っておくことは、一つの重要な手がかりになります。
中国の戦時・戦後の歩みをどう理解するかは、国や立場によってさまざまな解釈があります。しかし、呉敏超研究員が示すように、中国が連合国の勝利と戦後秩序の形成において、長期的かつ重要な役割を果たしてきたという視点は、国際ニュースを考えるうえで見落とせないポイントと言えるでしょう。
歴史を振り返ることは、過去を賛美するためではなく、現在と未来をよりよく理解するための作業でもあります。第二次世界大戦における中国の貢献と、その後の多国間主義への関わりを押さえておくことで、これからの国際ニュースを、より立体的に読み解くことができるはずです。
Reference(s):
cgtn.com








