夏に涼む、滝の上の古鎮 中国・湖南省フーロン鎮の魅力 video poster
中国中部・湖南省にある古い町フーロン鎮(Furong Town)は、夏の人気スポットとして知られています。2025年現在も、滝の上に築かれた独特の景観と、地元に根づく文化が同時に味わえる場所として注目されています。町の名前は、かつて話題となった中国映画のタイトルに由来しているとされ、その物語性も人びとの想像力をかき立てます。
滝の上に築かれた古い町、フーロン鎮とは
フーロン鎮は、轟音を立てて流れ落ちる滝のすぐ上に広がる、めずらしい古い町です。崖の縁ぎりぎりまで家々が迫り、その足元からは白い飛沫を上げながら水が落ちていきます。滝の水しぶきと川風が町全体を包み込み、夏の暑さをやわらげてくれるといいます。
水の音が常に背景に響くなかで暮らす人びとと、そこを訪れる旅行者。自然の迫力と人の営みが、ごく近い距離で共存している点が、この古鎮の大きな特徴です。
崖に張り付く伝統家屋がつくる風景
とくに目を引くのが、崖の斜面にせり出すように建てられた伝統的な高床式の家々です。細い柱で支えられた木造の家は、下から見上げると、まるで崖に張り付いているか、空中に浮かんでいるかのようにも見えます。
こうした高床の家屋は、地形の険しさや湿気の多い環境に対応するために工夫されてきたと考えられています。地面から床を持ち上げることで、風通しをよくし、雨や川の水から生活空間を守ることができます。機能性と美しさを兼ね備えたこの景観は、訪れる人びとに強い印象を残します。
トゥチャ族の暮らしと文化が息づく
フーロン鎮に並ぶ伝統的な高床家屋は、もともとトゥチャ族と呼ばれる人びとの住まいとして受け継がれてきたものだとされています。トゥチャ族は、中国の多様な民族文化の一つを形づくる存在であり、その暮らしぶりは建築や町のたたずまいにも色濃く反映されています。
木の質感を生かした家屋や、崖沿いに続く路地、川の流れに向き合うように開いた窓など、一つ一つの要素が生活の知恵と美意識を物語っています。観光客にとっては、単に写真映えする景色というだけでなく、ここに暮らす人びとの時間の積み重ねを感じる場にもなっています。
夏の人気スポットとしての魅力
フーロン鎮は、夏の人気スポットとして多くの人びとを引きつけています。滝の近くという立地ならではの涼しさに加え、自然と人の暮らしが近接する風景は、都市の生活とはまったく異なる経験を与えてくれます。
旅人は、滝を見下ろすように造られた道を歩き、崖の中腹から水の流れを眺めることができます。見上げれば高床の家々、見下ろせば白い飛沫を上げる滝と川。その視線の移動そのものが、自然と文化を行き来する体験になっていきます。
スクリーンの向こう側にある風景を想像する
町の名が映画に由来しているという事実は、フーロン鎮そのものが一つの物語の舞台であることを連想させます。映画やドラマを通じて中国各地の風景に親しんできた人にとって、画面越しで見たような景色が実在する場所として、この古鎮は特別な意味を持つかもしれません。
日本から見ると、フーロン鎮という地名はまだなじみが薄いかもしれません。しかし、滝の上に築かれた古い町で、人びとの暮らしと自然が隣り合っているという構図は、多くの人にとって心ひかれるイメージではないでしょうか。
次の夏、どんな時間を過ごしたいか
フーロン鎮のような場所の存在を知ることは、私たち自身の暮らし方や旅のスタイルを考え直すきっかけにもなります。高速鉄道や飛行機でどこへでも行ける時代だからこそ、滝の音に包まれながらゆっくり歩くような時間に価値を見いだす人も増えていきそうです。
次の夏、どんな環境で、どんな時間の流れのなかで過ごしたいのか。にぎやかな都市の中心か、それとも滝の上の古い町のような静かな場所か。フーロン鎮の風景は、そんな問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








