標高4,800メートルの野生動物レンジャー:中国Xizang・Serling Tsoの一日 video poster
中国南西部・Xizang Autonomous RegionのSerling Tso National Nature Reserveで、標高4,800メートルの自然と向き合う野生動物レンジャーの一日を追います。繁殖期も、それ以外の静かな季節も、彼らの見守りは途切れません。
標高4,800メートルに広がるSerling Tso国立自然保護区
Serling Tso National Nature Reserveは、中国南西部のXizang Autonomous Region・Xainza Countyに位置する国立自然保護区です。海抜4,800メートルという高地にあり、この土地をすみかとする野生動物の暮らしを支えています。
繁殖期、レンジャーたちの仕事はさらに忙しく
Serling Tso国立自然保護区の繁殖期には、レンジャーたちは休む間もなく働きます。卵や子どもを育てる時期は、野生動物にとって最もデリケートな季節であり、人の存在や些細な変化が大きなストレスになりかねないからです。
とはいえ、仕事が繁殖期だけで終わるわけではありません。繁殖が落ち着いた静かな季節にも、レンジャーの警戒は続きます。季節を通じた見守りがあってこそ、長い時間軸で野生動物の変化をとらえることができるからです。
ツルティム・タルチンさんと歩くXainza County
この保護区でレンジャーとして働くTsultrim Tharchin(ツルティム・タルチン)さんは、Xainza Countyの広い土地を行き来しながら、日々の見回りを続けています。とくに重要なのが、赤外線カメラの設置と管理です。
ツルティムさんは地形や動物の通り道を確かめながら、赤外線カメラを慎重に設置していきます。人が近づきすぎると動物の行動そのものが変わってしまうため、できるだけ存在を感じさせない形で観察することが、レンジャーの重要な役割になっています。
赤外線カメラがとらえた、高地の野生動物たち
赤外線カメラは、暗闇や遠くの場所でも、生き物の熱のわずかな差を画像として映し出します。標高4,800メートルの地形の中を、ふだん人前には姿を見せない野生動物が行き交う様子が、静かに記録されていきます。
こうして集まった映像から、どのエリアにどれくらいの野生動物が暮らしているのか、行動パターンに変化がないかなどが少しずつ見えてきます。レンジャーの地道な作業が、高地の生態系を長期的に理解するための基盤となっているのです。
遠く離れた高地から、日本で暮らす私たちへのヒント
2025年のいま、生物多様性や自然保護は国際ニュースの大きなテーマになっています。中国南西部の高地にあるSerling Tso国立自然保護区での一日は、日本で都市生活を送る私たちにも、次のような問いを投げかけます。
- 目に見えにくい場所で自然を支える仕事を、私たちはどれだけ想像できているか
- 季節ごとに変わる生き物のリズムに、人間の活動はどう寄り添えるのか
- 遠くの自然保護区の話を、自分の生活や地域の環境問題とどう結びつけて考えられるか
Serling Tso国立自然保護区で働くレンジャーたちの姿は、派手さこそありませんが、野生動物と人間社会が共に生きるための静かな努力を象徴しています。高地の風景の向こう側にある、こうした日々の積み重ねに思いをはせることが、ニュースを自分ごととして受け止める第一歩かもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








