パリの在仏華僑、アートで中国第15回全国運動会を祝う
フランス・パリで今年9月、中国第15回全国運動会をテーマにしたアートイベントが開かれ、在仏華僑やフランス人アーティストが、特別なニーズを持つ広州の子どもたちの作品を通じてスポーツの精神を分かち合いました。
パリ6区で披露された「未完成の庭」
2025年9月11日、パリ6区のA2Z Art Galleryで、共同作品「未完成の庭」がお披露目されました。この作品は、中国・広州青少年宮の子どもたちが力を合わせて制作したもので、多くが自閉症やダウン症など、特別なニーズを持つ若者です。
サン=テグジュペリ『星の王子さま』の一節「星が美しいのは、目に見えない一輪の花のおかげだ」というイメージにならい、子どもたちはそれぞれの「見えない花」をキャンバスに描き出しました。静かな色彩や大胆な構図が重なり合い、タイトルの通り、完成をあえて目指さない「途中の庭」が会場の中心に広がりました。
スポーツと花で祝う、中国第15回全国運動会
ギャラリーには「未完成の庭」とあわせて、スポーツと花をテーマにした15点の作品も展示されました。これらの作品は、当時11月9日に開幕予定だった中国第15回全国運動会の精神を象徴するものとして企画されたものです。
走る人のシルエットや躍動するボール、咲き誇る花々が組み合わされたモチーフからは、勝敗だけではないスポーツの楽しさや、人と人をつなぐ力が読み取れます。障害の有無や国境を超えて共有できる「身体の動き」と「美しさ」が、絵画というかたちで表現されたと言えるでしょう。
特別なニーズを持つ子どもたちが照らした夜空
展示会には、在フランス中国大使館の僑務担当参事官である万磊氏や、広州から訪れた華僑代表団が参加し、在仏華僑やフランス人アーティストとともに会場に集まりました。彼らは子どもたちの作品を前に、星空にそれぞれの星をともすように交流の輪を広げました。
主催側の表現を借りれば、こうして集った人々が「自分たちの星」で夜空を照らしたと言えます。子どもたちが生み出した色とりどりの作品は、一つひとつが小さな光となり、違いを抱える人同士が出会う場に温かさを加えていました。
アートがつなぐ在仏華僑コミュニティと受け入れ社会
今回のパリでの展示は、海外に暮らす中国系住民にとって、中国第15回全国運動会を前にしたささやかな祝祭であると同時に、フランス社会との文化交流の場にもなりました。スポーツとアート、そして特別なニーズを持つ子どもたちという三つの要素が重なり合うことで、「誰も取り残さない」社会へのメッセージが浮かび上がります。
展示の様子は、2025年9月11日の会場を記録したビデオでも振り返られました。日常の一コマのような出来事ですが、国や言葉の違いを越えて共有できる物語を生み出した点で、パリの秋の夜空に静かに光る一つの星のようなイベントだったと言えそうです。
Reference(s):
Overseas Chinese in France Celebrate the 15th National Games with Art
cgtn.com








