新疆ウルングル湖の冬漁祭り:氷を破る「最初の一匹」に込められた願い video poster
新疆ウイグル自治区・ウルングル湖の冬、人と湖を結ぶ氷上の一日
2025年1月、北西部のXinjiang Uygur Autonomous RegionのAltay PrefectureにあるUlungur Lake(現地名「Fuhai」)で、「Fuhai Winter Fishing Festival」が第18回を迎えました。氷に覆われた「祝福の湖」で行われたこの冬の漁は、地元の漁師たちの暮らしと祈りが凝縮された年に一度の大きな行事です。
「祝福の湖」Fuhaiと福海県の母なる湖
Ulungur Lakeは、現地では「Fuhai(福海)」、直訳すると「祝福の湖」と呼ばれています。Xinjiangで重要な漁場であると同時に、Fuhai County(福海県)の名前の由来ともなった「母なる湖」です。
湖は地域の人びとの生活を支え、魚を通じて生計をもたらしてきました。冬も凍りついた水面の下では魚たちが泳ぎ続け、それを追う漁師たちの営みが途切れることはありません。
湖に育てられた二代目漁師・Zhang Haijiangさん
この湖と共に育ってきた漁師の一人が、二代目漁師のZhang Haijiangさんです。10代のころから父に付き添って湖に出ていた彼は、今では「Yubatou」と呼ばれるリーダー格の漁師、いわば現場を率いるリード・フィッシャーマンへと成長しました。
少年時代から冬の冷たい風、きしむ氷、網を引き上げる重さを身体で覚えてきたZhangさんにとって、Ulungur Lakeは単なる職場ではなく、自分を育ててくれた場所そのものです。まさに「人生と湖の水が切り離せない」存在だといえます。
18年続く「Fuhai Winter Fishing Festival」
Fuhai Winter Fishing Festivalは、2025年で18回目を迎えました。毎年冬、氷に厚く覆われたUlungur Lakeの上に人びとが集まり、冬の漁の始まりを告げる「最初の一匹」が現れる瞬間を待ちます。
氷上での漁は、厳しい自然と向き合う仕事であると同時に、地域の文化でもあります。年ごとに繰り返されるこの祭りは、単に魚を獲る場ではなく、湖とともに生きてきた人びとの記憶を確かめる時間でもあります。
2025年1月18日、氷を破って現れた「最初の一匹」
2025年1月18日、午後の早い時間にWeishiが会場に到着したころ、今年の冬漁を象徴する瞬間が訪れました。厚い氷を破って、祭りの「最初の一匹」が姿を見せたのです。
氷の下から魚が引き上げられると、周囲からは歓声が上がりました。この一匹には、その年の漁の安全や豊かさ、そして地域の人びとの幸せが長く続くようにという願いが託されています。静かな氷上に響く歓声は、長い冬をともに生き抜いてきた湖と人びとを結ぶ合図のようでもあります。
漁師たちの願いと、湖への約束
この冬の祭りには、Ulungur Lakeがこれからも豊かであり続けること、そしてそこに暮らす人びとの幸せが長く続くことへの願いが込められています。毎年繰り返される氷上の光景は、漁師たちの素朴な希望であり、湖を大切に守り続けるという静かな誓いでもあります。
「母なる湖」に支えられてきた地域が、この湖をどう未来に引き継いでいくのか。Fuhai Winter Fishing Festivalは、その問いに向き合い続ける場でもあります。
私たちに問いかける、湖と生きるということ
Ulungur Lakeの氷上で起きる出来事は、遠く離れた場所の話に聞こえるかもしれません。しかし、自然とともに生きるという感覚や、水辺に支えられた暮らしへの感謝は、多くの地域が共有できるものでもあります。
- 自然の恵みをどう受け取り、どう守っていくのか
- 地域の祭りや行事に、どんな願いや記憶を託しているのか
- 次の世代に何を残し、どう伝えていくのか
福海の「祝福の湖」で交わされる静かな約束は、私たち自身の足元にある自然との向き合い方を見直してみるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Xinjiang Dawn to Dusk | Weishi: Ulungur's ice fishing spectacle
cgtn.com








