82歳登山家が魅せられた 山東省「帽子をかぶった山」ダイグ地貌 video poster
中国・山東省に、「帽子をかぶった山」と呼ばれる不思議な岩山があります。世界中の山を歩いてきた82歳の登山家が、晩年になって出会い、その魅力を世界に伝えようとしています。
山東省の「帽子をかぶった山」ダイグ地貌
山東省にあるDaigu Landforms(ダイグ地貌)は、城のような形をした岩が連なる独特の景観で、「mountains in hats(帽子をかぶった山々)」とも呼ばれています。
このダイグ地貌は、Yimeng Mountains UNESCO Global Geoparkの一部をなす重要なエリアです。岩山がいくつも立ち並ぶ姿は、まるで山の頂に帽子がちょこんとのっているようにも見えます。
- 城の塔のようにそびえ立つ岩
- 帽子をかぶったように見える山のシルエット
- ユネスコ世界ジオパークの一角を占める景観
ただの奇岩ではなく、地形そのものが物語を語っているような場所だと言えるでしょう。
82歳・Li Cunxiuさんが晩年に出会った「地元の絶景」
そんなダイグ地貌のすぐ近くに生まれ育ったのが、82歳のアウトドア愛好家で登山家のLi Cunxiu(リー・ツンシウ)さんです。Liさんは、若いころからアメリカ大陸、ヨーロッパ、アジアへと旅を重ね、各地の山々に登ってきました。
世界の名峰をいくつも見てきたベテランでありながら、故郷・山東省のすぐ外れにあるこの「帽子をかぶった山々」を自ら登ったのは、60代も終わりに差しかかった頃でした。それまで身近にありながら、一度も本格的に向き合ってこなかった地元の山だったのです。
奇妙なシルエットをした岩山に初めて足を踏み入れたとき、Liさんは、自分が世界中で見てきた景色とはまた違う種類の息をのむような美しさを感じたのでしょう。
「遅すぎる」ではなく「今から」が始まり
高齢になってから新しい山に挑戦するのは、体力的にも精神的にも簡単なことではありません。それでもLiさんは、晩年の挑戦としてダイグ地貌に登り、その体験を通じてこの場所の魅力を深く知るようになりました。
こうして生まれたのが、「ダイグ地貌の息をのむような美しさを、世界の人びとと分かち合いたい」という思いです。これまでに見てきたアメリカやヨーロッパ、アジアの山々と並べても遜色のない景観が、実は自分の故郷のすぐそばにあった――その発見が、Liさんを動かしました。
ダイグ地貌が教えてくれる、足元の景色を見直す視点
世界には、SNSで話題になる有名な絶景スポットが数多くあります。一方で、Liさんの物語は「見慣れた風景の中にも、まだ知られていない絶景がある」というシンプルな事実を思い出させます。
長く暮らしている土地ほど、風景は「当たり前」に見えてしまいがちです。しかし、世界中を歩いた人の目を通して見ると、地元の山や岩も、国際的な舞台に立てるだけの個性と魅力を持っていることが浮かび上がってきます。
Yimeng Mountains UNESCO Global Geoparkの重要な一部であるダイグ地貌も、その価値を具体的な物語として伝えているのは、最終的にはそこに暮らし、歩き続けてきた人びとです。Liさんのような存在がいることで、「地形の価値」が「人の記憶や経験」と結びつき、より立体的に感じられるようになります。
静かに広がるかもしれない「帽子をかぶった山」の物語
ダイグ地貌のようなユニークな地形は、写真や動画で共有したくなる題材です。今後、Liさんのような登山家やアウトドア愛好家が、自分の言葉や映像で体験を発信していけば、「mountains in hats」という愛称とともに、この場所の名前を耳にする人も増えていくかもしれません。
そこにあるのは、観光地としての話題性だけではありません。年齢を重ねても新しい一歩を踏み出せること、遠くの絶景だけでなく足元の風景にも目を向けてみること――ダイグ地貌の物語には、そんな静かなメッセージが込められています。
2025年の今、旅のスタイルや自然との向き合い方は、以前よりもずっと多様になっています。中国・山東省の「帽子をかぶった山」のように、まだ多くの人には知られていないかもしれない場所にこそ、新しい発見と物語が待っているのかもしれません。
Reference(s):
Explore the 'mountains in hats' in China's Shandong Province
cgtn.com








