中国・カシ発 「街の味」を閉じ込めた一杯のコーヒー物語 video poster
中国北西部の新疆ウイグル自治区の都市・カシに、タンザニア出身と新疆出身の夫婦が営む小さなコーヒー店があります。彼らとCGTNのナディム・ディアブ氏が挑んだのは、カシの歴史と文化を一杯のコーヒーに閉じ込めることでした。
新疆出身とタンザニア出身、夫婦で切り開いたカフェ
DiliさんとDiyaさんは、結婚相手でありビジネスパートナーでもある国際カップルです。1人は中国北西部の新疆ウイグル自治区出身、もう1人はアフリカのタンザニア出身です。
数年前、2人はDiliさんの故郷であるカシに移り住み、コーヒーショップを開きました。異なるバックグラウンドを持つ2人が選んだのは、世界中で親しまれている飲み物・コーヒーを通して、街と人をつなぐ場所をつくることでした。
一週間かけて学んだ「カシの風味」
今回、2人の店を訪れたのがCGTNのナディム・ディアブ氏です。彼に託されたミッションは、「カシならでは」と言える一杯のコーヒーをつくることでした。
ナディム氏は、この1週間ほどカシの街に滞在し、歴史や文化、人々の暮らしを学んできました。街を歩き、話を聞き、香りや色、食文化に触れながら、「この街を一言で表すならどんな味になるのか」という問いにコーヒーで答えようとしたのです。
通りの人々が「最終テスト」の審査員に
こうして生まれた新作コーヒーは、最後に「本番」を迎えます。ナディム氏はカシの街頭に立ち、何も知らずに通りかかる人々に声をかけ、自分のつくったコーヒーを紹介し、その反応を確かめました。
店内の関係者だけではなく、日常を過ごす通行人こそが「究極のテスト」を行う審査員です。驚きながら耳を傾ける人、興味深そうにカップを手に取る人など、さまざまな反応が、コーヒーの出来ばえを映す鏡になります。
一杯のコーヒーに見えるローカルとグローバル
この企画は、単なる新商品づくり以上の意味を持っています。そこには、ローカルとグローバルが交わる現代の都市の姿が凝縮されています。
- 新疆ウイグル自治区出身とタンザニア出身という異なるルーツを持つ夫婦が、1つの店と生活を築いていること
- コーヒーという身近な飲み物が、カシの歴史や文化、空気感を伝える「メディア」になっていること
- 国際メディアの企画をきっかけに、街の人々と外から来た人との間に新しい対話が生まれていること
2025年現在、多文化が交わるカフェや小さな店は、世界各地で当たり前の風景になりつつあります。カシの一角で生まれたこの一杯も、その流れを象徴する試みと言えるでしょう。
私たちの「日常の一杯」を見直すきっかけに
私たちが毎日飲んでいるコーヒーにも、産地や焙煎、淹れ方など、さまざまな物語が隠れています。カシで生まれたオリジナルブレンドのように、「この街ならでは」を意識してみると、いつもの一杯も少し違って感じられるかもしれません。
異なる土地から来た人々が出会い、一つの店をつくり、さらにそこに別の視点を持つ人が加わる。その重なりの中から、生まれてくる味や会話があります。カシのコーヒーは、そんな時代の空気を静かに映し出しているようです。
Reference(s):
cgtn.com








