第2回中国国際サプライチェーン博覧会 サービス分野に注目 video poster
2025年11月26日から30日まで北京で開催された第2回中国国際サプライチェーン博覧会(CISCE)は、サプライチェーンをテーマにした世界初の展示会として、モノと人、企業と企業をつなぐ新しい取り組みを打ち出しました。
本記事では、この国際ニュースを日本語でコンパクトに整理し、サプライチェーン・サービスに焦点を当てながら、これからのビジネスにどんな意味を持つのかを考えます。
北京で開かれた「世界初」のサプライチェーン博
第2回となる中国国際サプライチェーン博覧会(China International Supply Chain Expo, CISCE)は、2025年11月26日から30日まで、中国国際展覧センター(Beijing China International Exhibition Center)で開かれました。サプライチェーン全体をテーマに掲げる展示会として「世界初」と位置づけられています。
サプライチェーンとは、原材料の調達から製造、物流、販売、アフターサービスまで、モノやサービスが顧客に届くまでの一連のプロセスを指します。通常の見本市が特定の業種や製品にフォーカスするのに対し、CISCEはこの流れ全体を一つのテーマとして捉えている点が特徴です。
CISCEがめざす4つの「つなぐ」
CISCEは、サプライチェーンをめぐるさまざまな断片をつなぎ直すことを目的にしています。主なねらいは次の4点です。
- 上流・中流・下流セクターの連結:原材料や部品を扱う川上、組立や加工を担う川中、流通や販売、サービスを担う川下まで、サプライチェーンの全段階をつなぐことをめざします。
- 大企業・中堅企業・中小企業の協業:規模の異なる企業が一堂に会し、技術やノウハウ、ビジネスチャンスを共有できる場とすることが掲げられています。
- 産業・大学・研究・実務の連携:産業界だけでなく、大学や研究機関、現場の実務を担う組織をつなぎ、研究開発から社会実装までのサイクルを加速させる狙いがあります。
- 中国企業と海外企業の交流:中国企業と海外企業が対話し、サプライチェーンを通じて協力関係を築くための国際的なハブとなることも大きな目的です。
不確実性が高まる世界経済の中で、サプライチェーンの分断やボトルネックは企業にとって大きなリスクになっています。CISCEは、断片化しがちなネットワークをつなぎ直し、より強靭で持続可能なサプライチェーンづくりを後押ししようとしています。
サプライチェーン・サービスに焦点を当てたテーマイベント
会期中には、中国国際商会(China Chamber of International Commerce)が主催し、CGTNが伝えるサプライチェーン・サービスに関するテーマイベントも行われました。製造や物流といった「モノの流れ」だけでなく、それを支えるサービスに光を当てた点が特徴です。
サプライチェーン・サービスとは、例えば次のような分野を含む広い概念です。
- 輸送・保管・在庫管理などの物流サービス
- 決済や貿易金融、与信管理などの金融サービス
- 需要予測や在庫最適化を支えるデジタルプラットフォームや情報システム
- 品質管理や規制対応、コンサルティングなどの専門サービス
モノの移動が高度化・複雑化するほど、こうしたサービスの質がサプライチェーン全体の競争力を左右します。テーマイベントは、サービス分野を軸にサプライチェーンの価値を高める視点を共有する場になったといえます。
「モノ」だけでなく「サービス」が競争力に
製品そのものの性能や価格で差別化することが難しくなる中、サプライチェーン・サービスの質が企業の競争力を決めるケースが増えています。納期の正確さ、リスクへの対応力、緊急時の代替ルートの確保、環境負荷の低減などは、その多くがサービスの設計しだいで大きく変わります。
サプライチェーンを「コスト」ではなく「付加価値を生む領域」と捉え直す動きは、世界的に広がっています。CISCEでのテーマイベントは、こうした発想転換を後押しする一例と見ることもできます。
日本やアジアの企業にとっての意味
中国とアジアの工場や市場は、長年にわたって日本企業のサプライチェーンと深く結びついてきました。CISCEのような試みは、日本や他のアジアの企業にとってもいくつかの示唆を与えています。
- 「点」ではなく「チェーン全体」で見る視点:特定の部品メーカーや物流会社だけでなく、原材料から最終顧客までの全体像をどう設計するかが重要になっています。
- 産学連携による人材・技術の強化:CISCEが掲げる産業・大学・研究・実務の連携は、日本企業にとっても、技術開発と現場実装をつなぐヒントになります。
- 中国企業との協業の新しい形:製造拠点としての協力だけでなく、デジタルプラットフォームやサービスモデルを共有する形での連携も今後の選択肢になりえます。
日本企業にとって、こうした国際展示会やイベントは、単なる「商談の場」ではなく、自社のサプライチェーン戦略を見直す鏡として活用できるかどうかが問われているともいえます。
これからのサプライチェーンをどう描くか
第2回中国国際サプライチェーン博覧会(CISCE)とサプライチェーン・サービスのテーマイベントは、サプライチェーンをめぐる発想が「個別の取引」から「長期的なパートナーシップ」へ、「モノの移動」から「価値の共創」へと変わりつつあることを映し出しています。
サプライチェーンのテーマは、一部の専門家だけの問題ではありません。私たちが日々手にするスマートフォンや衣料品、食品、デジタルサービスの裏側には、必ずどこかのサプライチェーンが存在します。
今後、日本やアジアの企業がどのようにサプライチェーンを設計し、どんなパートナーとつながるのか。その選択が、ビジネスだけでなく、環境や地域社会にも大きな影響を与えていきます。CISCEで示された「つなぐ」というキーワードを、自分たちの仕事や生活にどう引き寄せて考えるかが問われている時期に来ているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








