グローバル・サウス学術フォーラム2024 世界の情報秩序を問い直す video poster
2024年12月5〜6日、上海で開催された「2024 Global South Academic Forum」では、グローバル・サウスの視点から世界の情報・コミュニケーション秩序を問い直す議論が行われました。East China Normal Universityが主催し、世界各地の研究者やメディアの先駆者が集まりました。
上海で開かれたグローバル・サウスの学術フォーラム
このフォーラムは、グローバル・サウスと呼ばれる地域の知見や経験を共有し、その声を国際社会に届けることをめざす学術イベントです。主催するEast China Normal Universityの呼びかけで、研究者やメディア関係者が上海に集まりました。
国際ニュースや国際政治が、特定の地域からの視点に偏りがちだと指摘されるなか、グローバル・サウスの研究者や実務家が一堂に会する場には、「世界をどう語り直すか」という大きなテーマがこめられています。
テーマは21世紀の世界情報・コミュニケーション秩序
フォーラムの中心テーマの一つが「21世紀の世界情報・コミュニケーション秩序の構築」でした。情報・コミュニケーションの秩序とは、誰が情報を発信し、どの視点や価値観が標準として世界に広がるのかという、目に見えにくいルールのことです。
CGTNのLiu Xin氏がモデレーターを務めたセッションでは、このテーマのもと、グローバル・サウスの声をどう世界に届けるかが議論されました。世界のメディア環境には依然として不均衡が残っているとされるなかで、参加者は次のような論点に向き合いました。
- 偏った報道や誤情報の壁をどう乗り越えるか
- 現地の人々の経験や知恵といった「本当の声」をどう可視化するか
- 世界の物語を、一方的なイメージではなく多様な視点から語り直すには何が必要か
こうした問いは、単にメディア業界だけの問題ではなく、国際ニュースを日常的に受け取り、SNSで共有する私たち一人ひとりの態度とも深く関わっています。
グローバル・サウスが直面するメディアの不均衡
国際ニュースは歴史的に、一部の地域に拠点を置く大手メディアの視点に大きく依存してきました。その結果、グローバル・サウスの国や地域から見た世界の姿が、十分に反映されないまま伝えられることもあります。
インターネットやSNSの普及によって、誰もが情報を発信できる時代になりましたが、誤情報や偏った情報が拡散しやすいという新たな課題も生まれています。こうした状況のなかで、このフォーラムのような場は、技術そのものではなく、その技術をどう使い、どの声に耳を傾けるのかを問い直す機会になっています。
日本の読者にとっての意味
2025年のいま、日本に暮らす私たちも、国際ニュースの多くをスマートフォンの画面越しに受け取っています。そのニュースがどの地域の視点から語られているのか、誰の声が拾われ、誰の声が抜け落ちているのかを意識することは、もはや専門家だけの課題ではありません。
上海で開かれたこのフォーラムは、グローバル・サウスの声や知恵を前面に出そうとする試みの一つです。その動きを手がかりに、私たち自身のニュースとの向き合い方も、次のような視点から見直せるかもしれません。
- 一つの国や地域のメディアだけでなく、複数の情報源を照らし合わせてみる
- できるかぎり当事者の声や現地のメディアにもアクセスしてみる
- 自分が「当たり前」だと思っている物語や前提を問い直してみる
2024年のフォーラムはすでに終了していますが、そこで掲げられた「21世紀の世界情報・コミュニケーション秩序」という問いは、これからも続く長期的なテーマです。ニュースを読む一人ひとりが、自分の情報環境を少しだけ広げてみること。それが、グローバル・サウスを含む多様な声が届きやすい世界につながっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








