韓国国会が尹錫悦大統領の弾劾案を再審議 戒厳令疑惑で政治危機 video poster
韓国の国会が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の弾劾訴追案を再び採決にかけようとしています。今月3日の戒厳令布告と「反乱」の疑いが、韓国の民主主義にとって何を意味するのかを整理します。
この記事執筆時点(2025年12月8日)、韓国の国会は今週土曜に予定される2度目の弾劾採決に向けて動いています。アジアの重要な隣国で起きている政治危機は、日本にとっても無関係ではありません。
何が起きているのか:2度目の弾劾採決
韓国の国会は、尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案について、2度目となる採決を今週土曜に実施する予定です。これは、当局が大統領の戒厳令布告をめぐって「反乱」の疑いで捜査を進めている中で行われます。
弾劾は、国家の元首などが重大な違法行為や職務違反を行ったと疑われるときに、議会が罷免を求めるための制度です。韓国では、大統領に強い権限が集中している一方で、憲法上、弾劾というチェックの仕組みも用意されています。
争点は戒厳令:12月3日に何が起きたのか
今回の弾劾の背景にあるのが、尹大統領が今月3日に出した戒厳令の布告です。この戒厳令は、軍に治安維持などの権限を大きく与える可能性がある決定として受け止められ、国内政治に大きな衝撃を与えました。
一般に戒厳令は、戦争や大規模な騒乱など、国家の安全が深刻に脅かされているとされる場面で発動されます。その一方で、市民の自由や通常の民主的な手続きが制限されやすく、乱用されれば民主主義への重大な脅威となります。
尹大統領の戒厳令は、その必要性や法的根拠をめぐって激しい議論を呼び、政治的な混乱を深めています。今回の弾劾採決は、この戒厳令がどこまで正当化されるのかを問う場にもなっています。
なぜ「反乱」の疑いまで問われているのか
当局は現在、戒厳令の布告とそのプロセスが「反乱」にあたる可能性があるとして捜査を進めています。ここで言う反乱とは、単なる政策判断の誤りではなく、国家の秩序や憲法体制を力で覆そうとしたのではないか、という疑いを含む重い言葉です。
捜査の詳細は公には多く語られていないものの、戒厳令が本来の目的を超えて政治的な目的で利用されたのかどうか、軍や治安当局との関係を含めて、慎重に調べられているとみられます。
国会が2度目の弾劾採決に踏み切ろうとしている事実は、議会側が事態を極めて深刻に受け止めていることを示しています。弾劾は政治的な駆け引きの道具というより、民主主義の最終的な防波堤として位置づけられているからです。
韓国民主主義への影響は
戒厳令と弾劾が重なって進む今回の政治危機は、韓国の民主主義のあり方を改めて問い直す局面となっています。ポイントとなるのは、次のような点です。
- 大統領権限の限界と、その行使に対する議会の監視機能
- 軍や治安当局が政治にどこまで関与すべきかという線引き
- 緊急事態への対応と、市民の自由・人権のバランス
- 激しい政争の中でも、法的な手続きとルールが守られるかどうか
韓国は、強い大統領制と活発な議会・市民社会を併せ持つ国です。今回のケースでは、その制度的な強さが試されているとも言えます。弾劾の是非だけでなく、そのプロセスがどれだけ透明で、法に基づいて進められるかが、国内外から注目されています。
これから何に注目すべきか
今後、韓国政治とアジア情勢をフォローするうえで、次のポイントが鍵になりそうです。
- 今週土曜の弾劾採決の行方と、与野党の動き
- 戒厳令をめぐる捜査が、どこまで事実関係を明らかにするのか
- 韓国国内の世論が、大統領の対応と弾劾をどのように評価していくのか
- 近隣諸国を含む国際社会が、韓国の政治的安定をどう見守るのか
今回の出来事は、一人の大統領の進退だけでなく、「非常時における権力の使い方」を世界に問いかけるケースでもあります。ニュースを追う際には、賛否の感情だけでなく、制度やルールがどのように機能しているのかに目を向けることで、より多面的な理解につながるはずです。
newstomo.com では、日本語で読める国際ニュースとして、韓国の弾劾問題やアジアの政治動向を引き続き丁寧に追いかけていきます。
Reference(s):
Live: ROK's parliament votes again on motion to impeach president
cgtn.com








