マカオ25年のいまを生きる若者たち 過去と未来をつなぐ物語 video poster
中国への返還から25年の節目を迎えたマカオ。その変化の中で育った若者たちの姿から、都市の歴史と未来、そして「家」と「国家」のあいだを考えます。
- 石畳の路地と高層ビルが並ぶマカオの「古くて新しい」風景
- 25年で一つの世代が生まれたことが意味するもの
- 家族と社会、マカオと中国本土をつなぐ若者のまなざし
本記事では、若者へのインタビューを軸にマカオの現在を描く「From home to home – Macao at 25」という特集を手がかりに、その背景にある変化を整理します。2025年のいま、マカオをめぐる国際ニュースやアジアの動きに関心を持つ日本語話者に向けて、ニュースとコラムのあいだのような視点をお届けします。
古くて新しい都市 マカオという「ホーム」
マカオは、長く海上交易の拠点として栄えてきた歴史を持ちます。石畳の路地や古い教会など、海のシルクロードを思わせる風景は今も街のあちこちに残っています。一方で、近年は活発な経済活動や現代的なインフラが整い、高層ビルが立ち並ぶ「新しい都市」としての顔も強めています。
その意味で、マカオは「古い」街と「新しい」街が同時に存在する場所です。過去の物語は路地の細部にまで刻まれながら、国際的な観光やビジネスの拠点としての役割も広がっています。グローバルな視野とローカルな暮らしが重なり合う、その重なりこそが今のマカオの「ホーム」の感覚を形づくっています。
25年で育ったマカオ生まれの新世代
「25年」は長くもあり、短くもあります。ひとつ確かなのは、25年あれば一つの世代が育つということです。マカオでは、返還前後の記憶を持つ親世代と、その後に生まれ育ち、現在20代前後になった子ども世代が共に暮らしています。
この新しい世代にとって、国際的な観光地として知られ、現代的なインフラに支えられたマカオの姿は「最初からそこにあった日常」です。歴史ある建物も、世界から人が集まるホテル群も、どちらも同じように「ふつうの風景」として受け止められています。その感覚が、親世代とは少し違う世界の見え方を生んでいます。
若者たちがつなぐ「過去」と「未来」
特集では、そうした若者たちが「歴史の肩の上に立つ」存在として描かれます。 cobbled alley と呼ばれるような石畳の道を歩きながら、彼らは自分のキャリアや家族との関係、そして都市の未来について語ります。
観光やサービスの仕事を選ぶ人、文化イベントや地域活動に関わる人、新しいビジネスや技術に挑戦する人。進む道はそれぞれ違いますが、いずれも過去から受け継いだマカオの物語を背負いながら、新しい一歩を踏み出そうとしている点では共通しています。
家族への思いとキャリアの選択
アジアの多くの地域と同じく、マカオでも家族への責任感は強い価値観の一つです。若者たちは、自分らしい生き方を模索しながらも、親や祖父母を支えたいという思いを口にします。「自分のキャリア」と「家族の安定」は、ときに両立が難しく映るテーマですが、そのバランスをどう取るかがまさにこの世代の悩みであり、挑戦でもあります。
特集が描くのは、自分の夢を追いながら、同時に家族や身近な人たちに具体的な形で貢献しようとする姿です。そこには、「個人か共同体か」という単純な二者択一ではなく、両方を抱え込もうとする静かな意思がにじみます。
地域と国家をつなぐ架け橋として
若者たちが貢献先として語るのは、家庭だけではありません。マカオという街そのもの、そして国家全体に対して、自分がどんな役割を果たせるのかを考える姿も印象的です。
中国本土や世界各地との行き来が当たり前になりつつある今、マカオの若者の中には、複数の場所を「ホーム」と感じながら生きる人も増えています。ローカルな街のコミュニティに根を張りつつ、より広い社会ともつながる。その二重の感覚が、マカオと中国全体、さらには世界をつなぐ架け橋になりつつあります。
「From home to home」が示す複数の「ホーム」
タイトルにある「From home to home」は、単純な移動以上の意味を含んでいるように見えます。物理的な家から学校や職場へ、マカオから中国本土や海外の都市へと移動することはもちろん、「心の拠り所としてのホーム」がいくつも存在するという感覚も示しているようです。
- 家族が暮らす「家庭としてのホーム」
- 友人や仲間と日常を共有する「街としてのマカオ」
- 学びや仕事を通じてつながる「中国全体や世界とのネットワーク」
若者たちは、その複数のホームを行き来しながら、自分の立ち位置を探っています。ひとつの場所に縛られず、しかしどこにも根を下ろさないわけでもない。その揺れ動く感覚は、マカオだけでなく、多くのアジアの都市に共通する新しいリアリティかもしれません。
マカオから見えるアジアの未来像
2025年の世界は、変化のスピードや社会の分断がしばしば語られる時代です。その中で、マカオの若者たちの姿は、歴史と現在、家と社会をどう結び直すかという普遍的な問いを投げかけています。
日本で暮らす私たちにとっても、「古いもの」と「新しいもの」が混ざり合う都市は珍しくありません。マカオの25年を見つめることは、自分の街や職場、家族との関係を見直す鏡にもなり得ます。
国際ニュースというと、つい大きな政治や経済の動きに目が行きがちです。しかし、その背景には必ず、一人一人の生活と選択があります。マカオで育った若者たちの静かな物語は、「ニュースの向こう側には、どんな日常があるのか」という問いを、私たちにそっと手渡してくれます。
通勤時間やスキマ時間に、この25年のマカオをめぐるストーリーを自分の暮らしに重ねてみると、新しい会話や気づきが生まれるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








