冬至の中国伝統行事を追う 二十四節気と餃子・団子・氷雪のまつり video poster
2025年の冬至は12月21日です。太陽が最も低く、そこから少しずつ日が長くなっていくこの節目に、中国各地では家族の団らんやごちそう、古代の知恵に触れる行事が準備されています。本稿では、国際ニュースとしても注目される中国の冬至の伝統行事を、日本語でコンパクトに紹介します。
冬至は「日が戻る」節目 古代からの吉日
冬至は、二十四節気の一つで、一年の中でも昼の長さが最も短いころにあたります。中国では、冬至を境に日照時間が伸びていくことから、季節の転換点として大切にされてきました。
古代中国には「冬至到、福気到」、つまり「冬至が来れば福がやってくる」という言い伝えがあったとされ、冬至は単なる天文現象ではなく、縁起の良い吉日としても受け止められてきました。現代でも、多くの家庭でこの日を家族団らんとごちそうの日として過ごします。
河南・登封で体験する「影」の測定 二十四節気を決めた古代の知恵
中国中部の河南省登封市では、冬至に合わせて古代の天文観測を体験できる企画が行われます。焦点となるのは、地面に垂直に立てた棒の影を使う「グノモンの影の測定法」です。
グノモンの影で冬至を知る
グノモンとは、日時計のように地面に立てた棒のことです。登封では、このグノモンの影の長さや向きを測ることで、太陽の高さの変化を観察する方法が紹介されます。
冬至の日には、正午の太陽が一年の中で最も低くなるため、影は一年で最も長くなります。古代の人々はこうした影の変化を長年にわたって記録し、その積み重ねから季節のリズムを読み取り、二十四節気を定めていきました。
登封の現場では、この影の測定を実際に再現しながら、古代の人々がどのように冬至を特定し、暦を作り上げていったのかを学ぶことができるとされています。科学的な観測と季節感、そして暦づくりが一体となった、中国の知恵に触れられる場です。
山西・忻州と広東・江門 北と南の味で祝う冬至
冬至は「食」の行事でもあります。中国北部と南部では、冬至に食べる料理のスタイルが大きく異なり、その違いが地域文化の豊かさを物語っています。
今回伝えられているのは、中国北部の山西省忻州市と、南部の広東省江門市の冬至の食卓です。
- 山西省忻州市:千人餃子の宴
忻州では、冬至の日に大勢が集まって餃子を囲む「千人餃子の宴」が伝えられています。寒さが厳しくなるこの時期、温かい餃子を分け合うことは、体を温めるだけでなく、地域のつながりを確かめる時間でもあります。 - 広東省江門市:塩味の米団子料理
一方、中国南部の広東省江門では、塩味の米団子が冬至の定番です。甘いお汁粉のようなデザートではなく、塩味のきいた料理として供されるのが特徴で、穏やかな温かさと素朴な味わいが、冬至の日の食卓を彩ります。
北の餃子と南の塩味団子という対照的なメニューは、ひとつの国の中に多様な食文化が息づいていることを、冬至という同じ節目の日にあらためて印象づけます。
ハルビンと新疆 氷と雪が主役の冬景色
冬至の時期、中国の北方では氷と雪の季節が本格化します。東北部のハルビン市と、西北部の新疆ウイグル自治区では、冬ならではの景色と民俗色豊かな氷雪アクティビティが行われます。
ハルビン市では、凍った川や雪に覆われた街並みが、冬の光に照らされて幻想的な景観をつくり出します。氷で作られた滑り台や雪上での遊びなど、子どもから大人まで楽しめる民間のアクティビティが、極寒の中でも人々の笑顔を生み出します。
新疆ウイグル自治区では、広大な大地と山々に雪が積もり、地域ごとの文化と結びついた氷雪の行事が展開されます。雪原での遊びや、冬の伝統的なスポーツなど、自然と共生しながら受け継がれてきた暮らしの知恵が感じられます。
オンラインでつながる「冬至」の今
こうした中国各地の冬至の行事や風景は、近年ではライブ配信などオンラインを通じて紹介されることが増えています。現地に足を運ばなくても、視聴者はグノモンの影の測定から千人餃子、塩味の団子、ハルビンや新疆の雪景色まで、さまざまな冬至の瞬間をリアルタイムで覗くことができます。
デジタル技術によって、古代から続く季節の行事が、国境や距離を越えて共有されるようになりつつあります。日本にいながらにして、中国本土の冬至文化を身近に感じることができるのは、2025年ならではの体験と言えるかもしれません。
私たちの冬の過ごし方を考えるきっかけに
冬至は、太陽の動きに耳を澄ませる日であると同時に、人と人とのつながりを確かめる日でもあります。グノモンの影に込められた古代の知恵や、餃子や米団子を囲む温かい食卓、氷と雪を楽しむ人々の姿は、私たちの日常とも重なります。
今年の冬至に向けて、自分たちの暮らしの中で、どんな小さな「季節の儀式」を大切にしたいか。中国の冬至の風景を知ることは、日本の冬の過ごし方を見直すヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








