中国広西の世界遺産・左江花山ロックアート カエル形の岩絵が語るもの
中国南部の広西チワン族自治区にあるユネスコ世界遺産「左江花山ロックアート文化景観」は、約2000年以上前の祭祀のようすを伝える岩絵群として、いま改めて注目を集めています。カエル形の人びとやスポーツの場面が描かれた不思議な世界を、オンラインの映像などを通じてのぞいてみましょう。
広西の世界遺産・左江花山ロックアートとは
左江花山ロックアート文化景観(Zuojiang Huashan Rock Art Cultural Landscape)は、中国南部の広西チワン族自治区にあるユネスコの世界遺産です。この文化景観は、38カ所の岩絵遺跡から成り立ち、いずれもおよそ2000年以上前の祭祀活動のようすを描いているとされています。
岩肌に残された図像は、当時の人びとがどのように祈り、集い、自然と向き合っていたのかを静かに物語っているように見えます。遠い過去の一場面が、そのまま現代の私たちの前に現れているかのようです。
カエル形の人びと―チワン族のトーテム
この岩絵群でもっとも目を引くとされるのが、カエルのような姿をした人びとの図像です。伝えられるところによれば、こうしたカエル形の人物は、広西に暮らすチワン族のトーテム(集団を象徴する存在)だとされています。
両腕を大きく広げたようなポーズや、跳ね上がるような輪郭を想像すると、豊穣や生命力、雨や水への祈りなど、さまざまなイメージが浮かび上がってきます。トーテムとしてのカエルは、自然と人間が密接につながっていた世界観の一端を映し出しているのかもしれません。
儀礼とスポーツ、同じ時間を共有する岩絵
左江花山の岩絵は、祭祀の場面だけでなく、スポーツのような動きのある場面も描いているとされています。儀礼と聞くと厳粛で静かなイメージを持ちがちですが、この岩絵には、走ったり跳んだり、競い合ったりしているようにも見える姿が含まれているとされます。
古代の人びとにとって、祈りの儀式と身体を使った遊びや競技は、きっぱり切り分けられたものではなく、ひと続きの日常だった可能性があります。岩絵に祭祀とスポーツらしき場面が並んでいると考えると、当時の社会のリズムや価値観を想像せずにはいられません。
2025年のいま、岩絵をどう見るか
2025年のいま、現地からのライブ映像やオンライン配信を通じて、左江花山ロックアート文化景観のようすを日本からでも身近に感じることができます。画面越しに岩絵を眺めるとき、次のようなポイントを意識してみると、見え方が少し変わってくるかもしれません。
- カエル形の人びとが、ほかの図像とどのような関係で描かれていそうか
- 祭祀らしき場面と、スポーツのような場面が映像の中でどのように紹介されているか
- どの場面に一番心を惹かれるか、その理由を自分なりの言葉にしてみること
古代の人びとが岩壁に刻んだイメージを、現代の私たちはデジタル機器の画面で眺め、SNSで感想を共有します。同じモチーフを通じて、時間も空間も大きく離れた人びとがつながる。その不思議さこそが、この世界遺産の魅力と言えそうです。
Reference(s):
Live: UNESCO's world heritage, rock paintings in Guangxi, China
cgtn.com








