トランプ2.0と世界経済:米国保護主義とグローバルガバナンスの行方
世界最大の経済大国である米国が保護主義的な通商政策を強める中、「トランプ2.0」政権のもとで世界経済はどこへ向かうのか――国際ニュース番組「BizTalk」が、専門家4人とともにその行方を読み解きました。
米国新政権と保護主義の加速
2025年12月時点で、来年1月20日に発足予定の米国新政権の通商政策は、これまで以上に急進的で保護主義的になると見られています。番組では、関税引き上げや輸入規制の強化などを通じて米国が自国産業保護を優先した場合、世界の貿易や投資の流れがどう変わるのかを議論しています。
世界経済にとって米国は最大の需要と金融市場を提供する存在です。その米国が一段と内向き志向を強めれば、企業はサプライチェーン(供給網)の再構築を迫られ、各国は通商戦略や通貨政策の見直しを余儀なくされます。
BizTalkが招いた4人の専門家
今回のBizTalkには、異なる地域と専門分野を背景に持つ4人の専門家が参加しています。
- Joebl Ruet氏(The Bridge Tank 創設者兼会長)
- Warwick Powell氏(Queensland University of Technology 客員教授/Taihe Institute シニアフェロー)
- Xing Yuqing氏(National Graduate Institute for Policy Studies(東京) 経済学教授)
- Liu Baocheng氏(University of International Business and Economics 国際ビジネス倫理センター学部長)
異なるバックグラウンドを持つ4人が、それぞれの視点から米国の通商政策が世界経済に与える影響を多角的に掘り下げています。
議論の焦点:世界経済とグローバルガバナンス
番組のキーワードは「世界経済」「通商政策」「グローバルガバナンス」です。米国の貿易政策が変化することで、各国がどのように連携し、新しい国際ルールを形づくっていくのかが大きなテーマになっています。
保護主義がもたらすリスクとチャンス
保護主義の拡大は、短期的には一部産業の保護や国内雇用の維持につながる可能性がありますが、長期的には報復関税や貿易摩擦を通じて、企業の先行き不透明感を高めるリスクがあります。一方で、地域間連携の強化や新たな市場開拓の動きが加速するなど、各国にとっては戦略の練り直しと新しいチャンスの両方を意味します。
グローバルガバナンスの「再設計」
また、米国のスタンスの変化は、世界貿易や金融のルールを定める国際的な枠組みの「再設計」にも直結します。番組では、既存の国際機関や多国間のルールだけでは十分に対応しきれない現実を前提に、新興国や地域ブロックがどのように発言力を高めていくべきかが論点として取り上げられています。
日本とアジアの視点から考える
日本を含むアジア諸国にとって、米国の保護主義的な通商政策の強まりは、輸出市場の不安定化だけでなく、投資や技術協力のあり方にも影響を及ぼします。番組に参加した東京拠点の研究者も、地域経済の視点からこうした変化を見つめています。
たとえば、企業レベルでは「どの市場に軸足を置くのか」「どこまでサプライチェーンを分散させるのか」といった意思決定がこれまで以上に重要になります。国家レベルでは、二国間・多国間の経済連携協定をどう組み合わせるかが問われます。
なぜ今、この議論を追うべきか
今回のBizTalkの議論は、単に米国の政権交代を追いかけるだけでなく、世界経済と国際秩序のバランスが大きく動きつつあることを示しています。個人投資家や企業の経営者、政策に関心のある読者にとって、保護主義の流れとグローバルガバナンスの変化をセットで捉えることが、これからの判断材料になります。
「トランプ2.0」がどのような具体的政策を打ち出すのかはこれからですが、番組で交わされた議論は、そのインパクトを冷静に見通すための手がかりを与えてくれます。国際ニュースをフォローする際には、米国の動きだけでなく、それに対する各国・各地域の対応にも目を向ける視点が重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








