深圳・中国民俗文化村の春節ライブ 多民族文化の夜を歩く video poster
春節(中国の旧正月)のにぎわいを、画面越しにどう伝えるか。中国広東省深圳のテーマパーク「中国民俗文化村」(China Folk Culture Village)から、CGTNが春節の夜をライブ配信するシリーズ第2弾が届けられています。民族芸能や祭りを一つの空間に集約したこの場所は、今の中国の観光と文化発信のあり方を象徴する舞台にもなっています。
春節の夜を生中継するライブ企画
番組タイトルは『Live: Lively night of Spring Festival at Folk Culture Village – Ep. 2』。2025年の春節シーズンにあわせて企画されたライブ番組で、視聴者は夜の園内を歩くカメラとともに、にぎやかな雰囲気をリアルタイムで味わえる構成だと考えられます。
ライブの舞台となるのが、深圳にある中国民俗文化村です。ここでは、中国各地の民族建築を模したエリアや、民族衣装をまとったパフォーマーによるショー、手工芸の実演などが集中的に展開されており、短時間で多様な文化に触れられるのが特徴です。
中国民俗文化村とは
中国民俗文化村は、中国で初めて、民俗芸術・風俗習慣・民族建築を一つのテーマパーク内に統合した大規模な文化・観光施設と位置づけられています。園内では、少数民族を含む中国の多様な民族グループの生活文化が、さまざまなかたちで紹介されています。
ライブ演出だけでなく、手仕事の展示や季節ごとの祭礼行事が組み合わさり、来場者が多角的に「民俗」を体験できる設計です。
三つの柱で見せる民俗文化
- ステージパフォーマンス:歌や踊り、儀礼を取り入れたショーを通じて、各地の民俗芸能を紹介。
- 手工芸の展示:織物や彫刻など、職人の技を間近で見せるハンドクラフト展示。
- 季節の祭り:春節廟会(Spring Festival Temple Fair)、水かけ祭り(Water-Splashing Festival)、たいまつ祭り(Torch Festival)といった行事を再現。
ライブが切り取る春節の「熱気」
今回のライブ企画は、こうしたコンテンツのうち、とくに春節に焦点を当てています。園内の春節廟会エリアでは、赤い装飾や伝統的な出店などの光景が広がっているとみられ、夜になると照明と音楽でいっそう華やかな雰囲気になります。ライブ映像を通じて、その場にいるかのような視覚的な「熱気」を共有しようとする狙いがうかがえます。
番組タイトルにある「Lively night」という言葉どおり、民俗舞踊のリズムや観客のざわめき、屋台の明かりなど、都市のテーマパークに再構成された春節の夜がオンラインで共有されます。現地に行くことが難しい視聴者にとっても、デジタル空間を通して季節感や祝祭感に触れられる試みといえそうです。
観光スポットから「文化スタジオ」へ
中国民俗文化村は、もともと観光客向けのテーマパークとして整備された施設ですが、ライブ配信によって「文化スタジオ」としての役割も帯びつつあります。
民俗芸能のステージや祭りの再現は、観客が目の前で楽しむエンターテインメントであると同時に、文化を伝える映像コンテンツにもなります。制作側から見れば、一つの場所に多様な民族文化の要素が集約されているため、撮影や演出の自由度が高い舞台でもあります。
2025年現在、観光とオンライン配信の境界は世界各地で曖昧になりつつあります。今回のライブ企画も、現地で体験する「場」と、ネットを通じて共有される「映像」が重なり合う、その一例として位置づけられるでしょう。
画面越しに民俗文化を見るということ
民俗文化をテーマパークで再現し、さらにライブ配信で届けることには、いくつかの問いも含まれています。どこまでが「本物」の文化体験なのか、演出や編集を通じてどのようなイメージが強調されるのか、といった点です。
一方で、都市部や海外に暮らす人々が、遠く離れた地域の祭りや手工芸に触れるきっかけとして、こうした場や番組が果たす役割も小さくありません。とくにオンライン視聴では、字幕や解説を付けることで、背景にある歴史や意味を伝えることもできます。
深圳の夜から配信される春節ライブは、多民族国家としての中国の姿をコンパクトに映し出す「窓」のような存在でもあります。画面のこちら側でそのにぎわいを見つめるとき、視聴者は何を感じ取り、どのようなイメージで中国の民俗文化を思い描くのか。同じ映像でも、意識の持ち方によって見えてくるものが変わってくるのかもしれません。
Reference(s):
Live: Lively night of Spring Festival at Folk Culture Village – Ep. 2
cgtn.com








