深センがZ世代の起業を後押し 国際番組が映すイノベーションの現場 video poster
中国・深センを舞台にした国際ニュース番組『The Power of Youth+』の最新回では、中国人民大学出身の若手起業家3人が登場し、テック・イノベーションと持続可能な社会づくりに挑むZ世代の姿が紹介されました。深センはなぜ若い才能を惹きつけるのか。そのヒントが、今年2月24日午後8時(北京時間)に放送されたこの番組の対談から浮かび上がっています。
国際ニュース番組が映した「深センの今」
今回の『The Power of Youth+』では、CGTNのホスト・Mernaさんが南部の経済都市、広東省・深センを訪れました。そこで彼女は、中国人民大学(Renmin University of China)にルーツを持つ3人の若手起業家と向き合い、街のダイナミックな起業文化と、Z世代ならではの価値観について語り合いました。
番組は、深センの街並みやスタートアップのオフィス風景を背景に進行し、「なぜこの街が若い人たちの夢の舞台になっているのか」「若手起業家がテック・イノベーションと持続可能な発展をどう結びつけているのか」といった問いを掘り下げています。
若手起業家3人が語った3つのキーワード
対談の中心にいるのは、いずれも人民大学で学んだ経験を持つ3人の若手起業家です。分野やビジネスモデルは異なりながらも、彼らの言葉には共通するキーワードがにじみ出ていました。
- スピードと実験の文化:アイデアを思いついたらすぐに試し、小さく失敗しながら次の一手に進む姿勢。深センの街全体に、「やってみよう」という雰囲気が広がっていることが伝えられました。
- テック×サステナビリティ:アプリ開発やデバイス設計といったテクノロジーを、環境保護や資源の効率利用と組み合わせる視点。テックが単なる便利さではなく、持続可能な社会の基盤になり得るという感覚が共有されています。
- 社会へのインパクト志向:利益だけでなく、教育、地域コミュニティ、気候変動といった社会課題への貢献を重視する姿勢。起業は「自分の夢」と同時に「社会を少し良くする手段」として語られていました。
番組を通して見えてくるのは、Z世代が「安定か挑戦か」という二者択一ではなく、「安定した基盤を持ちながら、社会に意味のある挑戦をしたい」と考えていることです。
深センがZ世代を惹きつける理由
では、なぜ深センは若い起業家にとって魅力的な街なのでしょうか。番組の映像や起業家の言葉からは、次のような特徴が読み取れます。
- アイデアから製品までの距離の近さ:多くのものづくり企業や技術者が集積しているため、試作品づくりや小ロット生産にすぐ取り掛かれる環境があります。
- 若者向けのスタートアップ支援:コワーキングスペースやインキュベーション施設が点在し、同世代の仲間やメンターと出会いやすい土壌があることが強調されました。
- 多様なバックグラウンド:中国各地や海外から集まった若い人材が混ざり合い、異なる専門や文化的背景を持つチームが次々と生まれている様子が紹介されています。
こうした環境が、Z世代の「とりあえず試してみたい」「小さく始めて大きく育てたい」という感覚と相性よくかみ合い、深センを「挑戦しやすい街」にしているといえます。
イノベーションと持続可能な発展をどう両立するか
番組のもう一つの焦点は、「テック・イノベーション」と「持続可能な発展」をどう結びつけるかという点でした。単に新しいサービスや製品を生み出すだけでなく、それがエネルギー消費や資源利用、都市の暮らし方にどんな影響を与えるのかを考える必要があります。
若手起業家たちは、自分たちのビジネスを通じて次のような課題意識を共有している様子が伝えられました。
- テクノロジーの利便性と、環境負荷の軽減を同時に追求すること
- 短期的な成長だけではなく、長期的に続けられるビジネスモデルを設計すること
- 都市に暮らす人びとの生活の質(QoL)をどう高めるかを、数字だけでなく実感として捉えること
こうした視点は、中国に限らず、世界各地の若い起業家に共通するテーマでもあります。深センを題材にした今回の番組は、その一つの具体例として位置づけることができるでしょう。
日本の読者にとっての示唆
日本の都市でも、スタートアップ支援やイノベーションの取り組みが進んでいます。深センの事例は、単に「スピードが速い都市」としてではなく、「若い世代が挑戦しやすい条件とは何か」を考える素材として見ることができます。
たとえば、
- 失敗しても再挑戦できる環境づくり
- 大学と起業コミュニティの連携をどう深めるか
- テクノロジーを社会課題の解決につなげる視点を、教育やビジネスにどう組み込むか
といった問いは、日本の読者にとっても無関係ではありません。国際ニュースとしての『The Power of Youth+』の深セン回は、Z世代の起業熱を映し出すと同時に、私たち自身の働き方や地域のあり方を見直す鏡にもなり得ます。
スマートフォンで気軽に視聴できる番組から、グローバルな若者の動きと都市の変化を読み解く。その一歩として、深センで活躍する若手起業家たちの声に耳を傾けることには、大きな意味がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








