ディズニー映画ムーランの故郷のモデル、福建土楼とは? video poster
ディズニー映画「ムーラン」の故郷のモデルになった場所はどこなのか──その答えの一つとされるのが、中国南東部・福建省永定に残る「土楼(とろう)」です。客家の人びとの文化を映し出すこの土造りの建物は、2008年からユネスコ世界遺産にも登録されており、伝統建築とポップカルチャーをつなぐ存在として注目されています。
福建省・永定の「土楼」とは
土楼(Tulou)は、その名の通り土を素材とした建物を指します。福建省の永定にある土楼は、南東部の中国を代表する建築として位置づけられており、壮大で独自の構造を持つ古い中国建築として知られています。長い歴史を持つこれらの建物は、時を経てもなお地域の風景の核となり続けています。
客家文化の特別なシンボル
永定の土楼は、客家の人びとにとって特別な文化的シンボルとされています。建物そのものが、生活の知恵や価値観、共同体の記憶を映し出す存在だからです。特定の民族や地域にとって、建築が「自分たちらしさ」を示す象徴になることは少なくありませんが、土楼はまさにその典型的な例だといえるでしょう。
2008年からユネスコ世界遺産に
福建省の土楼は、2008年にユネスコの世界遺産に登録されています。2025年現在まで、その登録は継続しており、国際的にも価値が認められた文化遺産として位置づけられています。世界遺産としての評価は、単に「古い建物」であることを超え、人類共通の遺産として守り、伝えていくべき対象であることを意味します。
映画「ムーラン」の故郷のインスピレーション
この福建土楼が世界的な注目を集めるきっかけの一つになったのが、ディズニー映画とのつながりです。2020年に公開されたディズニー映画「ムーラン」では、主人公ムーランの故郷として描かれる村のイメージに、永定の土楼が大きなインスピレーションを与えました。スクリーンに映し出される「中国の田舎」の風景の背後には、こうした実在の建築があると考えると、作品の見え方も少し変わってきます。
中国アニメ「Big Fish & Begonia」にも通じる世界観
土楼はまた、中国のアニメーション映画「Big Fish & Begonia」にとっても重要な映像上のモデルとなりました。この作品では、背景となる世界を形づくるうえで、現実の土楼の姿が参考にされています。実在する建築がアニメーションの中で再解釈され、新しい物語の舞台としてよみがえるプロセスは、文化の継承と創造が同時に進む一つのかたちともいえます。
伝統建築とポップカルチャーが交差する場所
永定の土楼の歴史は古く、客家文化の象徴でもありますが、同時に映画やアニメを通じて世界の観客とつながる「現在進行形」の存在でもあります。世界遺産として守られてきた建築が、ディズニー作品や中国アニメのインスピレーション源となることで、遠い国や地域に対するイメージも少しずつ更新されていきます。
ニュースやガイドブックから知る中国とは別に、映画のワンシーンを入り口にして福建土楼に興味を持つ人も増えていくかもしれません。スクリーンの向こう側にある実在の場所や人びとの生活に思いをはせることは、国際ニュースを自分ごととして受け止める、小さな一歩にもなりそうです。
Reference(s):
Live: Discover Fujian tulou – inspiration behind Mulan's hometown
cgtn.com








