世界遺産・福建土楼 客家文化が息づく永定の「土の建築」を知る video poster
中国南東部・福建省永定県に広がる「福建土楼(永定土楼)」は、土で築かれた独特の構造をもつ建物群です。客家の人々の文化を象徴する存在であり、2008年からユネスコ世界遺産に登録されています。中国の長編アニメーション映画『大魚海棠(Big Fish & Begonia)』の重要なモデルにもなったこの土楼を、2025年のいま、改めて見つめてみます。
永定土楼とは何か
Yongding Tulou(永定土楼)は、福建省を代表する「福建土楼」の中でも、とくに典型的な例とされる土の建物群です。英語で「earth buildings」とも呼ばれるように、土を主な材料として築かれた古い中国建築であり、その外観と構造は世界的にも類を見ないものとされています。
客家文化の象徴としての福建土楼
永定土楼は、客家の人々にとって、単なる住居や建物ではなく、自らの歴史やアイデンティティを映し出す「文化の象徴」として存在してきました。土楼が持つ独自の形とスケール感は、共同体の結びつきや生活の知恵を物語るものとして受け止められています。
こうした「建築そのものが文化を語る」あり方は、移動や情報がグローバル化した現在でも、多くの人に強い印象を与え続けています。
2008年から世界遺産に 国際社会が評価した価値
ユネスコの世界遺産は、人類共通の宝として守るべき自然や文化を登録する制度です。永定土楼を含む福建土楼群は、2008年にこの世界遺産リストに加えられました。
登録から17年がたった2025年現在も、永定土楼は「中国の伝統建築」と「客家の文化」を理解するうえで重要な手がかりとして位置づけられています。世界遺産という枠組みは、単に観光地としての知名度を高めるだけでなく、その背景にある歴史や生活文化に目を向けるきっかけにもなっています。
アニメ『大魚海棠』が広げたイメージ
永定土楼は、中国のアニメーション映画『大魚海棠(Big Fish & Begonia)』の重要な舞台イメージとしても知られています。作品に登場する幻想的な世界は、永定土楼をはじめとする土楼建築から着想を得てつくられたとされ、伝統的な建物の姿が、物語世界を支えるビジュアルの核となりました。
アニメというポップカルチャーを通じて、永定土楼のイメージは、建築や歴史に詳しくない若い世代にも届きやすくなっています。スクリーンの中で見た風景をきっかけに、現実の土楼や客家文化に関心を持つ人も少なくありません。
2025年の視点で見る永定土楼の意味
デジタルで世界がつながる2025年のいま、永定土楼は次のような問いを私たちに投げかけているように見えます。
- 土という身近な素材から、どのようにして独自の建築文化が生まれたのか
- 一つの建物が、どのようにして地域コミュニティや民族の象徴になっていくのか
- 伝統的な建築が、アニメーションなど現代の表現と出会うことで、どんな新しい物語が生まれるのか
永定土楼のような場所を知ることは、「過去の遺産を守る」ことだけでなく、「これからの暮らしや社会をどうつくるか」を考えるヒントにもなります。土で築かれた古い建物が、世界遺産として、そしてアニメの舞台として語り継がれている背景には、世代や国境を超えて共有しうるストーリーがあるからです。
覚えておきたい永定土楼のポイント
- 中国南東部・福建省永定県にある土で築かれた独特の建物群である
- 客家の人々の文化を象徴する存在として位置づけられている
- 2008年からユネスコ世界遺産に登録されている
- アニメ映画『大魚海棠(Big Fish & Begonia)』の重要なモデルになった
国際ニュースやアジアの文化に関心を持つ私たちにとって、永定土楼は、「建築」「民族文化」「ポップカルチャー」という三つの視点から考えることのできる、豊かな題材となっています。
Reference(s):
cgtn.com








