中国の知恵はグローバル・ガバナンスを変えるか video poster
中国の知恵は、いま揺れ動く国際秩序とグローバル・ガバナンスをより良い方向に導くカギになり得るのでしょうか。中国国際テレビの討論番組『Talking China』の最新回では、この問いを軸に、中国の役割とその見方をめぐって専門家たちが議論しました。本稿では、その議論のポイントを手がかりに、2025年現在のグローバル・ガバナンスを考えます。
討論の舞台:メディアと研究者が交わる場
番組には、CGTNの上級編集者ジョン・グッドリッチ氏とソーシャルメディア専門家の李晶晶氏が進行役として参加し、香港大学の「現代中国と世界センター」に所属する李成教授、中国人民大学重陽金融研究院の劉志勤教授とともに、中国とグローバル・ガバナンスをテーマに議論しました。
このパネルディスカッションは、事実に基づいて中国の貢献を検証し、国際社会で流通する誤解を解きほぐすことを目指したとされています。メディアと研究者が同じテーブルにつくことで、日々のニュース報道と長期的な視点の両方から、中国の姿を立体的に描こうとする試みが特徴的です。
中国の知恵とは何か:長期視野と協調の発想
番組で語られた中国の知恵は、単なるスローガンではなく、いくつかの特徴的な発想を指していると整理できます。
- 長期の時間軸で物事をとらえ、短期の利害だけで判断しないこと
- 対立よりも対話と協調を優先し、共通利益を探る姿勢
- 自国の発展経験を踏まえつつ、他国の多様な事情を尊重すること
- 経済、安全保障、気候変動など複数の課題を総合的に見る視点
グローバル・ガバナンスは、多くの国や地域がルールづくりや課題解決に関わるプロセスです。そこでは、一国の価値観だけでなく、異なる歴史や文化に根ざした知恵を持ち寄ることが重要になります。その一つとして中国の知恵をどう位置づけるかが、議論の出発点になっていました。
グローバル・ガバナンスへの中国の貢献
パネルでは、中国がグローバル・ガバナンスに対して行ってきた顕著な貢献が、具体的な事実に基づいて紹介されたとされています。たとえば、国際機関への関与や、多国間協力の枠組みづくり、開発や金融の安定に関わる提案などです。
こうした取り組みは、ときに海外の議論では十分に伝わらず、中国は一方的だといった単純化されたイメージで語られることもあります。番組は、そうしたイメージと実際の政策や行動とのあいだにあるギャップを埋める役割も担おうとしていました。
誤解をどう解くか:ファクトと対話の積み重ね
番組の特徴は、感情的な応酬ではなく、事実に即した検証を通じて誤解を解こうとしている点にあります。パネリストたちは、数字や具体的な事例をもとに議論を進め、中国の行動がどのような背景や国内議論を経ているのかを説明しました。
また、中国をどう見るかという問いそのものが、見る側の価値観や情報環境に左右されやすいという指摘も印象的です。ソーシャルメディアの時代には、断片的な情報や強い言葉が拡散されやすくなっています。そこにあえて複数の立場や専門家の視点を持ち込むことで、視聴者に一歩立ち止まって考えるきっかけを提供していると言えます。
SNS世代に向けたメッセージ
討論には、ソーシャルメディアの現場を熟知する参加者も加わり、オンライン上で中国や国際ニュースがどのように語られているかという点にも光が当てられました。
- アルゴリズムがつくる情報の偏りをどう意識するか
- 短い動画や投稿だけでは見えない、長期的な背景をどう補うか
- 異なる視点のコンテンツにあえて触れることの大切さ
これは、日本の読者にとっても非常に現実的なテーマです。通勤時間やスキマ時間にニュースをチェックする日常の中で、少し立ち止まり、どの情報源がどんな前提に立っているのかを意識することが、国際ニュースを読む力につながります。
これからのグローバル・ガバナンスと中国の役割
パネリストたちは、今後のグローバル・ガバナンスが直面する課題についても議論を深めました。気候変動、感染症、不平等、デジタル技術のルールづくりなど、いずれも一国だけでは対応できないテーマです。
こうした課題に対して、中国の知恵がどのように生かされ得るのか。番組では、中国がより積極的に国際協力の場に関わりながら、他国や地域との対話を重ねていくことの重要性が強調されました。同時に、国際社会の側も、中国の経験や提案を先入観なく受け止め、建設的な議論を行う必要があるという視点も示されています。
日本の読者への問いかけ
中国の知恵がグローバル・ガバナンスをより良くするカギになり得るのかという問いは、日本に住む私たちにとっても無関係ではありません。国際ニュースをどう読み、どのような価値観から世界を見ているのかを振り返るきっかけになるからです。
今回紹介した討論番組のように、一つの国をめぐる多様な視点が交わる場は、世界を理解するための貴重な素材になります。中国の経験や考え方を一つの参照枠として取り入れつつ、日本や他の国・地域の視点とも照らし合わせることで、より立体的な世界像が見えてきます。
国際ニュースを日本語で追いながら、自分なりの問いを持って世界を眺める。そのプロセスの中で、中国の知恵とグローバル・ガバナンスをめぐる議論は、これからも重要な手がかりであり続けるはずです。
Reference(s):
cgtn.com








