国際ニュース: 衛星測位BeiDouが新疆のトマト農業を変える video poster
2025年4月、中国・新疆ウイグル自治区バインゴリン・モンゴル自治州のトマト畑で、衛星測位システムBeiDouを活用した機械化移植が本格稼働しました。12万ムー(約8000ヘクタール)の広大な畑を、自動運転の移植機が正確な軌道で走りながら苗を植え付けていく光景は、中国の農業の現在を伝える国際ニュースとなっています。
新疆のトマト産地で進む大規模機械化
バインゴリン・モンゴル自治州は、トマトが特色産業となっている地域です。2025年の春、約12万ムーのトマトが移植に最適なタイミングを迎え、現地では一斉に春耕と苗の植え付け作業が進みました。
この短い適期に広大な面積の作業を終えるために欠かせないのが、機械化された移植機です。人手だけでは追いつかない規模の畑でも、複数の機械が並行して動くことで、移植作業を効率よく進めることができます。
衛星測位BeiDouが支える正確な作業
今回の取り組みの特徴は、移植機が衛星測位システムBeiDouの精密な位置情報をもとに動いている点です。あらかじめ設定されたルートに沿って、播種機や移植機が一定の速度で進み、畝と畝の間隔、苗と苗の間隔がそろうよう制御されています。
- 機械の走行ルートを事前に設定
- 走行速度を自動で一定に保つ
- 苗の列間隔や株間を均一に調整
これにより、畝が曲がったり、苗が密になりすぎたりといったムラが減り、作業全体の効率が高まります。精度の高い衛星測位があるからこそ、大規模な畑でも同じ品質で作業を進めることができます。
広大な12万ムーを支える精密農業
12万ムー、約8000ヘクタールという規模は、日本の読者にとってもイメージしやすいとは言えませんが、手作業だけで対応するにはあまりに広い面積です。そこで、機械化と衛星測位を組み合わせることで、限られた時間と人員でも安定した作業が可能になります。
畑のどの場所でも同じ間隔で苗が植えられていれば、その後の管理も効率的になります。灌漑や施肥などの作業計画も立てやすくなり、収穫までの見通しを立てやすくなる点も、精密な移植の大きな利点です。
最適な移植期を逃さない技術
トマトの苗には、その土地の気温や土壌条件に合った最適な移植期があります。新疆のように昼夜の寒暖差が大きく、春の気候が変わりやすい地域では、このタイミングを逃さずに一気に作業を進めることが重要になります。
今回のようにBeiDouと機械化を組み合わせれば、広い畑でも短期間で移植作業を終えることができ、気象条件の変化へのリスクを抑えることにつながります。結果として、安定した生産や供給を支える土台づくりに寄与すると期待されています。
人手不足とスマート農業という視点
農村部での人手不足や高齢化は、各国共通の課題になりつつあります。新疆のトマト畑で進むBeiDouを活用した機械化は、こうした課題に対する一つの解決策としても位置づけられます。
機械化と衛星技術の導入によって、一人当たりが担当できる面積は大きくなります。作業の標準化も進むため、経験の長さに左右されにくい形で農業を続けていくことが可能になります。
日本の読者がこの国際ニュースから学べること
日本でも、スマート農業や精密農業への関心が高まっています。中国・新疆ウイグル自治区でのトマト機械化移植の事例は、衛星測位や自動運転技術を農業にどう生かすかを考えるうえで、参考になる動きと言えます。
農業とテクノロジーをどう組み合わせるかは、単に生産効率の問題だけではなく、地域の産業や働き方、食の安定供給とも深く関わります。今回のBeiDouを利用した取り組みは、その一端を具体的に示すものとして、今後も注目していく価値がありそうです。
Reference(s):
Watch: BeiDou assists mechanized tomato transplantation in Xinjiang
cgtn.com








