雲南ニ珠河大峡谷で国際ベースジャンプ 絶景で極限スポーツ video poster
中国南西部・雲南省の深い峡谷を舞台に、世界のトップアスリートが集う国際ベースジャンプ大会が開かれ、かつて「隔絶された村」と呼ばれた地域が、極限スポーツの新たな目的地として注目を集めています。
雲南・ニ珠河大峡谷で国際ベースジャンプ大会
2025年のメーデー連休(5月初めの連休)に、中国南西部・雲南省宣威市のニ珠河大峡谷で、国際的なベースジャンプイベントが開催されました。会場となったのは、切り立った崖と深い渓谷が続く、中国でも有数の景観を誇るエリアです。
大会には、約20の国・地域からおよそ30人のエリート選手が参加し、スリルと技術を競いました。参加者たちは、谷にせり出した崖の上から飛び出し、パラシュートを開きながら降下するベースジャンプだけでなく、複数人で隊形を組んで飛ぶフォーメーションスカイダイビングや、個々の技を見せるフリースタイルジャンプ、翼のついた専用スーツで滑空するウイングスーツ飛行など、多彩なパフォーマンスを披露しました。
ライブ映像が伝えた「飛行」と「自由」の瞬間
現地からは、国際メディアによるライブ中継も行われ、ニ珠河大峡谷の雄大な景色と、崖の上空をかすめるように飛ぶ選手たちの姿がリアルタイムで世界に届けられました。
かつては人や物の行き来が限られ、「外から遠い場所」の象徴でもあったこの崖は、いまや空へ飛び出すための「スタート台」となりつつあります。切り立った岩肌の上空を、カラフルなパラシュートとウイングスーツが次々と横切り、谷にはプロペラ機や風を切る音が響きました。大会では、安全管理にも配慮しながら、観客と視聴者に「飛行」と「自由」の感覚を共有してもらうことが目指されました。
「隔絶された村」から世界の極限スポーツ拠点へ
ニ珠河大峡谷周辺は、これまで観光地として大きく知られてきた場所ではなく、「秘境」に近いイメージを持たれてきました。しかし、今回のような国際ベースジャンプ大会によって、そのイメージは少しずつ変わりつつあります。
世界各地から集まった選手たちが、峡谷の上空で高度な技を次々と繰り広げる映像は、SNSや動画プラットフォームを通じて拡散されました。観光地としての知名度が高くなかった村や峡谷が、一気に「極限スポーツの新名所」として地図に載ることになります。
こうした動きは、中国南西部の山間地域にとって、観光と地域振興の新たな可能性を示しています。自然の厳しさゆえに人が近づきにくかった場所が、その厳しさを生かして、「ここでしかできない体験」を求める人々を引きつけ始めているからです。
地域にもたらされるチャンスと課題
ニ珠河大峡谷での国際ベースジャンプ大会は、地域にいくつかのチャンスと課題を投げかけています。
- 世界に向けて、雲南省の自然や文化を発信するきっかけになる
- 観光客の増加により、宿泊や交通、飲食などの関連産業に波及効果が期待される
- 若い世代を中心に、ベースジャンプやスカイダイビングといったエクストリームスポーツへの関心が高まる可能性がある
- 一方で、安全対策や自然環境への負荷をどう抑えるかという課題も続く
特にエクストリームスポーツは、高度な専門知識と安全管理を前提とするアクティビティです。イベントとしての盛り上がりだけでなく、今後も継続的に開催していくのであれば、地域全体で安全基準や環境保全のルールづくりを進めていくことが不可欠になります。
「絶景×スポーツ」という新しい観光のかたち
世界各地で、山岳地帯や峡谷、海岸などの自然環境を舞台にしたアウトドアスポーツやエクストリームスポーツが観光の目玉になりつつあります。ニ珠河大峡谷の事例は、その流れが中国南西部の山間地域にも届きつつあることを象徴していると言えます。
2025年のメーデー連休に行われたこの国際ベースジャンプイベントは、「絶景×スポーツ×ライブ配信」という組み合わせが、地域のイメージを一気に変える力を持っていることを示しました。新しい観光のかたちを模索する各地にとっても、今後の参考になる動きと言えそうです。
スマートフォン一つで世界中の映像にアクセスできるいま、遠くの峡谷で行われた一つのイベントが、私たちの日常のタイムラインに突然現れることがあります。そのとき、私たちは単なる「絶景動画」として流し見するのか、それとも、その土地で生まれつつある新しいチャレンジや課題に思いを巡らせるのか。ニ珠河大峡谷の上空を舞うカラフルな軌跡は、そんな問いも静かに投げかけているのかもしれません。
Reference(s):
Live: Soaring above the gorge: extreme sports take flight in Yunnan
cgtn.com








