中国と太平洋島しょ国、繁栄へ向けた対話 厦門で外相会合 video poster
2025年5月28日から29日にかけて、中国福建省の厦門(アモイ)市で第三回「中国・太平洋島しょ国外相会合」が開催されました。会期中の主要なサイドイベントとして開かれた円卓会議「China-PICs Dialogue: Pacific Partnerships for Prosperity」では、太平洋の島しょ国の外交官が「繁栄に向けたパートナーシップ」をテーマに、協力と将来の発展について意見を交わしました。
第三回「中国・太平洋島しょ国外相会合」とは
第三回となる中国と太平洋島しょ国の外相会合は、地域全体の関係を話し合う多国間の場として位置づけられています。開催地となった厦門は、中国南東部の沿海都市であり、海上交通や経済交流の拠点として知られています。そうした場所で開かれた今回の会合は、海を介してつながる国と国との連携を象徴する場でもあります。
「Pacific Partnerships for Prosperity」円卓会議の特徴
今回の外相会合の中で、とくに注目されたのが「China-PICs Dialogue: Pacific Partnerships for Prosperity」と題された円卓会議です。この対話には、次の5つの太平洋島しょ国から外交官が参加しました。
- ニウエ
- ミクロネシア連邦
- バヌアツ
- パプアニューギニア
- フィジー
参加者たちは、太平洋地域における協力のあり方や、今後どのように発展を実現していくかについて議論しました。経済や社会インフラ、教育や人材育成など、幅広い分野での連携が意識されていると考えられます。
太平洋島しょ国が抱える共通課題
太平洋の島しょ国は、豊かな海や多様な文化を持つ一方で、いくつかの共通する課題にも直面しています。たとえば、気候変動による海面上昇や自然災害への対応、限られた資源や市場規模の中での経済成長、遠隔地ゆえの物流や通信インフラの課題などです。
こうした課題に向き合うためには、一国だけではなく、周辺の国や地域との協力が不可欠です。今回の円卓会議は、そうした共通課題に対して、太平洋島しょ国同士が経験や知見を共有しつつ、新たなパートナーシップを模索する場になったといえます。
「パートナーシップ」が意味するもの
会議のテーマに掲げられた「Pacific Partnerships for Prosperity(繁栄のためのパシフィック・パートナーシップ)」という言葉には、いくつかの重要な意味が込められていると考えられます。
1. 持続可能な発展への視点
「繁栄」は、単なる経済成長だけではなく、環境保護や社会の安定、次世代へとつながる持続可能な発展を含む概念として語られるようになっています。太平洋島しょ国にとって、自然環境は生活と文化の基盤であり、その保全と活用のバランスが重要です。
2. 包摂的な地域協力
太平洋地域では、多様な規模・体制の国が並び立っています。人口が少ない国や、経済規模が比較的小さい国であっても、対等なパートナーとして尊重される枠組みづくりが求められています。円卓会議という形式には、参加者がそれぞれの立場から自由に意見を述べるという、包摂的な協議の姿勢が表れています。
3. 海でつながるネットワーク
太平洋は、国境を越えた「共有の海」でもあります。漁業資源の管理や海上交通の安全、海洋プラスチックごみの削減など、海をめぐる課題は国際協力なしには解決できません。今回の対話は、海でつながる国や地域同士がネットワークを強める一つの契機になり得ます。
日本の読者にとっての意味
日本もまた、太平洋に面した国として、島しょ国との協力や連携を続けてきました。エネルギーや漁業、気候変動対策、防災など、太平洋をめぐるテーマは日本の安全保障や経済にも深く関わっています。
今回のように、中国と太平洋島しょ国が対話を重ねる動きは、地域全体の安定や連携のあり方を考えるうえで、日本にとっても無関係ではありません。複数の国や地域が関与することで、太平洋の課題に対する選択肢やアプローチが広がる可能性もあります。
これから何に注目すべきか
5月に厦門で行われた第三回外相会合と「Pacific Partnerships for Prosperity」円卓会議は、太平洋地域における協力の枠組みづくりの一歩と位置づけられます。今後の注目ポイントとして、次のような点が挙げられます。
- 協力と将来の発展というテーマが、どのような具体的なプロジェクトや合意につながっていくのか
- 太平洋島しょ国のニーズや優先課題が、今後の議論や協力の設計にどのように反映されるのか
- 環境や気候変動、災害対策など、地域が共有する課題への取り組みがどのように進んでいくのか
太平洋の島しょ国と中国との対話は、一度きりのイベントではなく、これから続いていくプロセスの一部と見ることができます。日本を含む多くの国や地域が関わる太平洋という広い舞台で、今後どのような連携の形が生まれてくるのか。ニュースを追いながら、自分なりの視点で見守っていきたいテーマです。
Reference(s):
cgtn.com








