中国海南の熱帯雨林で、シロガシラつがいが交代で抱卵 映像が示す共生のかたち video poster
中国南部・海南島にある海南熱帯雨林国家公園の五指山エリアで、シロガシラとも呼ばれる light-vented bulbul のつがいが、交代で卵を温める様子が観察されています。小さな野鳥の協力プレーは、繁殖行動であると同時に、熱帯雨林の生態系が保つ調和の姿を映し出しています。
中国・海南の熱帯雨林で見られた「夫婦のチームワーク」
今回伝えられているのは、海南熱帯雨林国家公園・五指山エリアに巣を作った light-vented bulbul のつがいです。オスとメスが順番に巣へ戻り、卵を抱く姿が確認されています。
抱卵のあいだ、つがいは次のような行動を見せています。
- オスとメスが交代制で巣に入り、卵を温め続ける
- くちばしを使って卵の向きを少しずつ変える
- どちらか一方が抱卵している間、もう一方が周囲を警戒したり採餌に出かけたりする
とくに、卵をそっと回転させるしぐさは印象的です。これは卵全体に熱が均等に行き渡るようにするためで、ヒナが健康に育つために欠かせない動きだとされています。この一連の行動には、親鳥の本能的な「ケア」と、周囲の自然環境との落ち着いた共存の雰囲気がにじみ出ています。
なぜオスとメスが交代で卵を温めるのか
多くの鳥類にとって、抱卵は長期戦です。light-vented bulbul のつがいが交代制で抱卵するのには、いくつかの合理的な理由があります。
- 体力を保つため
抱卵中はほとんど動けないため、長時間続けると親鳥が消耗してしまいます。交代することで、片方が採餌し、体力を回復できます。 - 卵の温度を安定させるため
常にどちらかが卵を温めることで、温度の急激な変化を防ぎます。くちばしで卵を回す動きも、内部の温度を均一にする役割があります。 - 外敵への警戒を分担するため
一羽が巣にいるあいだ、もう一羽が周囲の状況を確認し、危険を察知しやすくなります。
こうした「チームワーク」は、単なる愛らしい光景にとどまらず、ヒナの生存率を高めるために進化してきた合理的な戦略だと考えられます。
熱帯雨林の生態系と調和のサイン
今回のように、light-vented bulbul のつがいが落ち着いて抱卵できているということは、その周囲の環境が比較的安定していることも示唆します。
- 巣を作れるだけの木々や枝ぶりが保たれている
- 親鳥が十分に採餌できるだけの虫や果実などの餌が存在している
- 外敵や人間の活動による過度な攪乱が少ない
熱帯雨林のような複雑な生態系では、ひとつの種の行動を丁寧に観察することで、森全体の状態を推し量る手がかりになります。今回の抱卵の様子は、鳥と森、そしてそこに暮らす多様な生き物たちの間に成り立つ「静かなバランス」を象徴していると言えるでしょう。
遠くの熱帯雨林から、私たちが学べること
日本から見ると、中国・海南島の熱帯雨林は遠い世界のようにも感じられます。しかし、画面越しに伝えられる小さなつがいの行動は、私たちの日常ともどこかでつながっています。
- 協力し合うことの大切さ
オスとメスが役割を分担しながら命を育てる姿は、家庭や職場、コミュニティでの協力のあり方を静かに考えさせます。 - 生物多様性と気候のつながり
多様な生き物が暮らす熱帯雨林は、地球全体の気候や水循環にも影響を与えています。遠くの森を守ることは、長い目で見れば自分たちの暮らしを守ることにもつながります。 - 「ながら見」から始まる環境との距離感
通勤電車の中やスキマ時間に、こうした自然のニュースに触れること自体が、環境問題を自分ごととして捉える小さな第一歩になります。
light-vented bulbul のつがいが交代で卵を温めるという、一見ささやかな出来事。その背後には、熱帯雨林という大きな舞台と、多様な生き物が織りなす共生のドラマが広がっています。スマートフォンの小さな画面から、その一端を想像してみるのも、現代の国際ニュースとの付き合い方のひとつかもしれません。
Reference(s):
Watch: Light-vented bulbul couple takes turns incubating eggs
cgtn.com








