中国海南・蜈支洲島の海洋牧場 サンゴ礁再生と観光を両立 video poster
中国南部の海南省・蜈支洲島で、海洋牧場とサンゴ礁の生態系回復を組み合わせた「エコロジー+観光」の取り組みが進んでいます。国際ニュースとして紹介されているこの試みは、環境保全と地域経済をどう両立させるのかを考えるヒントになります。
海南省・蜈支洲島とは
蜈支洲島は、中国南部の海南省沖に位置するリゾートアイランドで、蜈支洲島観光エリアとして知られています。透明度の高い海とサンゴ礁が魅力で、マリンスポーツやリゾート滞在を目的に多くの観光客が訪れてきました。
2010年から続く海洋牧場とサンゴ礁回復プロジェクト
蜈支洲島では、2010年から海洋牧場の整備とサンゴ礁の生態系回復事業が進められてきました。海洋牧場とは、陸上の牧場のように、海域を計画的に管理しながら魚介類やサンゴなどの生き物を守り育てる取り組みを指します。
この海洋牧場は、海南省で初めての国家級海洋牧場示範区として位置づけられており、島周辺の海を舞台に、サンゴ礁の生態系を回復させるさまざまな取り組みが行われてきたとされています。
グリーン発展モデル「エコロジー+観光」とは
蜈支洲島の海洋牧場は、環境保全と観光を組み合わせたエコロジー+観光のグリーン発展モデルとして紹介されています。このモデルは、単に観光客を増やすのではなく、自然環境の回復と地域社会の持続可能な発展を同時にめざす点に特徴があります。
生態面・経済面・社会面の三つで顕著な成果があったとされており、その内容は次のように整理できます。
- 生態面:サンゴ礁の回復や海洋生物のすみかづくりを通じて、海の生態系の健全性を高めることをねらいます。
- 経済面:豊かな海の景観や生物多様性そのものを観光資源とし、長期的に観光収入や関連ビジネスの安定につなげます。
- 社会面:環境教育の場として活用することで、観光客や地域の人びとが海洋環境の大切さを学ぶ機会を生み出します。
水中映像が伝える海洋牧場の姿
蜈支洲島の海洋牧場では、水中の映像を通じて、サンゴ礁のようすや魚たちが泳ぐ姿が伝えられています。中国のメディアはライブ映像などを活用しながら、普段は潜らないと見えない海の中を視聴者に共有しています。
こうした水中ビューは、観光としての魅力を高めるだけでなく、海洋環境の変化や保全の必要性を直感的に理解してもらうためのツールにもなります。
2025年のいま、私たちが読み取れること
2010年から始まった蜈支洲島の取り組みは、2025年現在までおよそ15年にわたり続いてきたことになります。長い時間をかけてサンゴ礁を回復し、観光と両立させようとしている点は、アジアの他の沿岸地域や島嶼部にとっても参考になる事例と言えます。
観光地が短期的な開発に走るのか、それとも環境と共生する道を選ぶのか。蜈支洲島の海洋牧場は、その問いに対して一つの具体的な答えを示しつつあります。海の美しさを楽しみながら、その裏側でどのような長期的な努力が続いているのかを想像してみることが、次の旅行やニュースの見方を少し変えてくれるかもしれません。
Reference(s):
Live: Views of the Marine Ranch in Sanya Wuzhizhou Island Tourist Area
cgtn.com








